文字サイズ: 小 中 大

村上ファンドと金融政策の信頼性

text by

小泉龍司

2006.06.24

福井日銀総裁の村上ファンド投資問題。
ゼロ金利政策により、預金者の利息が削られ、それが銀行の利益になってきました。
その結果、大手銀行は空前の経常利益をあげ、一方で一生懸命、老後の資金を蓄えてきた高齢者の方の中には、生活を切り詰めてきた人も少なくありません。
また…預金金利が下がれば当然、一部の資金は株式市場に流れ、株価は上昇します。
こうした仕組みを何年も作ってきた、責任者のトップにいるのが日銀の福井総裁です。
多くの人が犠牲になる中で、こういう仕組みの下、株価上昇の恩恵を受けていた事実は、「日銀総裁」という立場に対する国民の信頼を崩すものです。
辞任しなければ、福井氏個人は守られるかもしれませんが、公職であり国の要である「日銀総裁」という職責に対する国民の信頼は、より一層大きく傷つけられることになります。
モラルの低下、治安の悪化、悲惨な事件…に歯止めがかからず、日本という国が何か溶けていくのではないか、と感じずにはいられない昨今の状況の中で、せめて、国の要を担う方が自分自身ではなく、その「職責」の神聖さ、潔癖性を守ろうとしてくれないのか、言い換えれば、身を捨ててでも、「国」というものを守ろうとしてくれないのか…、そう感じるのは私だけでしょうか。