1.はじめに
去る6月と7月の2回にわたり、本庄市において、障害をもつ子どもたちの保護者の方々との懇談会を開催し、福祉サービスの現状と今後の改善に向けた要望について、詳しくお話を伺いました。
保護者の方々からのご要望は、それぞれ国の施策にかかわるもの、県の施策にかかわるもの、そして地元本庄市の施策にかかわるものが含まれていますが、ここではその区別はせずに問題毎にご要望のポイントを取りまとめました。
今後さらに、現状の把握に努め、地元の市議会議員の方や市長さんとも連携して、少しでもこれらのご要望が実現に近づくよう、全力で取り組みたいと思います。
2.地域(本庄市)における療育機関の設置
- 療育(訓練)には、理学・作業・言語・音楽療法などがあるが、いずれも障害をもち言葉がままならない子どもたちにとって、「自分の意思を伝えるためのコミュニケーション手段を学ぶ」ことであり、これを学んだ子どもたちは、将来社会に出たときの生活がよりスムーズに行えるようになる。
幼児期からきちんとした「療育」を受けることにより、さまざまな障害をもつ子どもたちの世界が広がり、地域で生活していくことができるようになる。 - しかし現状では、埼玉県・寄居・療育園(寄居町)や、はつかりの家(川越市)など、遠方まで通わなければこの療育を受けることができない。
地元にそうした療育機関(訓練の場)がないために、将来への不安を抱えている保護者は数多くいる。子どもたちが少しでも安心して地域で生活できるように、より身近なところに療育の場を設けてもらいたい。
3.地域(本庄市)における福祉事業所の設置
現状と問題点は、以下のとおりである。
- 日中一時支援事業(放課後の余暇活動)(花園町、美里町、上里町)
→施設の都合で利用日が決まってしまうので、保護者の都合では利用できない。 - 短期入所(ショートステイ)(保護者の病気、入院等で保護者が障害児の介護ができない時に、数日間預けられる宿泊施設)
→施設の空き部屋がないと利用できない。 - 児童のデイサービス(訓練を目的とし、一定の時間帯預けられる)(深谷市)
→距離的に遠い。こうした福祉サービス事業所が地元本庄市にあれば、子どもを近くで預けられ、働くこともでき保護者の送迎負担も軽減できる。
4.レスパイトサービスの充実
(1)レスパイトサービスとは、何か。
障害のある方と障害のある児童を対象とする、
- 指導員が付き添う外出援助
- 生活サポートセンターでの一時預かり
- 指導員による児童保護
などのサービス。「レスパイト」とは「息抜き」の意であり、介護を要する高齢者や障害児(者)を一時的に預って、家族を一定期間、介護から解放するサービスである。
(2)レスパイトサービスの具体的内容
- 対象者
- 身体障害者手帳を持っている方
- 療育手帳を持っている方
- 医師等から発達障害の診断を受けた方
- 目的
- 家族の介護からの解放(保護者が日頃の疲れを解放し、一息付けるように援助する)
- 送迎サービス(介護者や家族の代わりに送り迎えをする)
- 障害児(者)をもつ親に、一般の人と同じように、通学・就労・地域社会での交際・余暇活動への参加の機会を提供する。
- 負担額
埼玉県障害者(児)生活サポート事業を行う事業所に、県と市町村が補助金を支給するという埼玉県独自の制度がある。県の基準単価は、1時間当たり最高2,850円と設定されている。1時間当たりの補助金総額の1/3 (950円)を県が、1/3 (950円)を市町村が、1/3 (950円)を利用者が利用料金という形で負担する。市町村によっては、利用者負担分を助成している所もある。
- 利用時間の上限
- 年間1人当たり150時間までと定められている。
- 近隣の生活サポート事業所
- 生活支援サービスのぞみ(深谷市)
- 生活サポートセンター「カミン」(深谷市)
- レスパイトハウスつばさ(寄居町)
(3)どんな時に利用したいか
- 保護者や兄弟ではなく、第三者と関わり、その子の世界を広げてあげたい
- 公共の場(特に男の子を抱えている家庭)、トイレ・プール・お風呂など、青年期頃の子と一緒には母親は更衣室やトイレには入れないが、サポート先の男性職員にお願いして一緒に入って貰う(余暇活動での支援として)
- 兄弟の学校行事等で、母親がケアできない時
- 高齢者の介護をしている家庭
- 保護者に代わって療育として利用したい(買い物)
- 家族の冠婚葬祭等どうしても保護者がケアできない時
(4)問題点
- 生活サポートに関して、事業所に指導員が1名という所もあり、1ヶ月前からの予約が必要になる。
- 緊急の場合利用できないのが問題で、利用したい人が多いのに受け入れ先がない。
- 所得水準が低い家庭にとっては、1時間あたりの料金が高く、利用したくても利用できない。
- 生計を共にしている中で、1番所得の高い人(例えば祖父)の所得を基準として負担が課されるが、実際利用する時には、利用者の保護者が支払うことになる。負担の基準が現実に合っていない現在の制度には納得できない。
- 手帳保持者でない軽度発達障害児(者)は、実費負担となる。
- 年間150時間では、家庭の事情によって足りないこともある。
(5)レスパイトサービスについての特に強いご要望
- 児童の場合、レスパイト利用の負担金の算定基準を保護者(両親)に限定して欲しい。
二世帯住宅では、生活が別々になっているのに、住民票上、同一世帯だと、その中で所得の一番高い人(生計中心者)が基準になる。その結果レスパイト利用料金は、保護者の所得ならば0円で利用できるのに、生計中心者の所得では負担金が950円となり、利用できない。- 参考:
生計中心者の基準による負担金→自立支援法・レスパイトサービス利用料金
保護者の基準による負担金→児童福祉法(保育料等)支援費制度
- 参考:
- 障害児・障害者・高齢者を抱えている家庭では、毎日が介護生活である。
年間150時間のレスパイトサービスでは時間が足りない。家庭の事情によっては、レスパイトサービス時間の優遇があっても良いのではないか?そのような家庭がたくさんあると思われる。
5.親の会としての希望
- 障害をもつ子どもたちの「親の会」の拠点をもちたい。
- 障害をもつ子どもたちや親で放課後や休日利用できる、余暇活動の場を設置して欲しい。
- 設置が無理なら、町のひと部屋でも貸与という形で使えるようにして頂きたい。


