文字サイズ: 小 中 大

あなたは、本当にアメリカ型格差社会を希望しますか?

text by

小泉龍司

2008.09.24

 小泉元総理以降の7年間、「アメリカ型社会」を目指す政治が行われてきました。その結果はどうだったでしょうか?振り返ってみて下さい。皆さんは、日本が良い方向に向かってきたとお考えになりますか?

 都市と地方の格差はますます大きくなりました。「戦後最長の景気拡大」(2002年以降)と言われましたが、働く人や中小企業には、何の恩恵もありませんでした。
 若者を中心に、正社員になれない非正規雇用(派遣社員・パートなど)は雇用者の3分の1を超え、その中で、一生懸命働いても「貧困」を脱出できない「働く貧困層」(ワーキングプア)が生まれました。
 大企業は、下請けの中小企業から利益を吸い上げ、また、正社員を減らし非正規雇用を増やすことにより給与を切り下げてきました。こうして、強い者が弱い者を踏み台にすることにより、「格差」は拡大してきました。

 それを推し進めたのが「規制の緩和」です。
 規制の緩和により自由競争することは良いことだ、と思われるかもしれません。しかし、多くの規制は、強い者が弱い者を痛めつけないように、強い者を縛っているのです。
 「自由競争」という美名の下、大規模小売店法や労働者派遣法が改正され、中小商店や「働く人たち」は、苦しめられてきました。そして、中産階級が没落し貧困層の拡大が止まらないアメリカ社会の姿が、そのまま日本社会の姿になってきました。

 アメリカ型社会は「自己責任」の美名の下、「社会保障」を切り捨てる社会でもあります。
 アメリカという国は、社会保障(セーフティネット)を整備すれば、国民は働かなくなるという考え方に立っています。国民皆保険は導入されておらず、公的な医療保険に加入できるのは、アメリカ国民4人のうち1人です。仕方なく民間保険に加入すると、治療費の給付には上限が課されます。
 日本に導入された「後期高齢者医療制度」は、このアメリカ型医療制度を見ならったものです。「かかりつけ医」に登録すると、一般検査費用に上限が課されます。
 介護の現場でも、十分な介護報酬が得られず、毎年2割のヘルパーさんが辞めていきます。医療費削減のため医師数を抑えてきた結果、地方での医療崩壊が進んでいます。

 こうして、「弱肉強食の競争」や「社会保障の切り捨て」により、国民を不安な状態、不安定な状態に置くことによって、そこから「国の活力や成長」を生み出そうとするのがアメリカ型社会です。日本でもこの7年間、その政策が推し進められてきました。しかし、「不安」や「不安定」からは、決して国民全体の活力は生まれません。活力どころか、多くの人が苦しみを味わい、人間としての尊厳を奪われてきました。

 「あなたは、本当にアメリカ型社会を希望しますか?」
 はっきり「NO」と言わなければならない時が来ています。日本の社会を歪め、一部の優越的地位にある人だけを潤す、アメリカ型社会と訣別すべき時が来ました。
 私は、そのために戦ってきました。これからも戦って参ります。ともに立ち上がって戦いましょう!「努力すれば報われる社会」を創るために。
 「ともに助け合う社会」を創るために。