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日本型の共に生きる社会を目指す

text by

小泉龍司

2009.01.01

 「あなたは本当にアメリカ型格差社会を希望しますか?」(08年9月24日)で述べたとおり、日本の政治がアメリカ政治に追随している間に、日本の社会はどんどんアメリカ化し、国全体がアメリカの方向に漂流している感がある。

隗より始めよ……

 この状況の下で、まず第一に政治がなすべきことは、国民生活の危機を深く認識し、これを乗り越えて行く決意を身をもって国民に示すことである。政治全体が出直します、と国民に覚悟を伝えることである。
 議員特権の廃止、議員定数の削減、議員歳費の半減、そして近親候補の同一選挙区での立候補禁止を直ちに実行すべきである。
 これを実行せずして、国民の政治への「信頼」を取り戻すことはできず、「信頼」を取り戻すことなしに、政治がリーダーシップを発揮することはできない。

徹底した行政改革の断行を

 真のリーダーシップを政治が取り戻すことができれば、中央官僚組織の不正と無駄使いに、真に切り込んでいくことができる。公務員制度改革、特殊法人、公益法人への天下りと政府支出の徹底削減、不要な特別会計の廃止。これらの行政改革の断行は、あらゆる政策の大前提である。
 国民の政治家と中央官庁への不信感をなくすことが、新しい道への不可欠の条件である、そしてそこから、次に述べる新たな政策に必要な財源を生み出すことができる。

大切な3つの政策の柱

本当に安心できる「社会保障制度」を作り、国民に「明日を生きる力」を与えること。
  • 医療—後期高齢者医療制度の撤廃、医師不足の早急な解消
  • 年金—年金だけで生活できる「生活保障年金」の創設
  • 介護—介護報酬の引上げによる介護スタッフの確保
  • 子育てー子育て支援制度の創設
日本にはすでに失われている「機会の平等」を取り戻すこと。
  • 農業—農家への直接支払い制度の導入。
  • 中小企業—大企業が下請け企業から不当な利益を吸い上げることを法律で禁止。
  • 雇用—非正規雇用と正規雇用の均等待遇化。専門業務を除き派遣労働を禁止。奨学金制度の拡充。最低賃金・労働分配率の引上げ。
地域経済に力を。

 公共事業のみに頼らず、社会保障・教育・農業支援などの分野を通じて、地方への投資を行うことにより地域経済の活力を引き出す。

「生活の現場」から始まる政治を

 こうした政策に実効性を持たせる上での不可欠の条件は、政治家が「国民の生活と仕事の現場」を知ることである。
 私はこの3年間に8万軒のお宅を訪問し、「現場」を歩き、大勢の皆様方から切実な声を聞かせて頂いてきました。
 私がここで述べてきたことは、私が伺ってきた皆様方の意見を集約したものです。 
「現場」に立てば、正しい答えはそこにあります。

日本型の共に生きる社会の実現を

 21世紀に入ってからの8年間、日本の政治は、アメリカ型競争社会を目指すべきモデルとして掲げ、それを「構造改革」と称して、経済的強者をより強くする政策を実行してきた。
 地方を含め経済的弱者の存在は軽視され、労働市場は歪み、セーフティーネットは綻び、格差は大きく広がってきた。
 競争至上主義の中で、国民は分断されてきたとも言える。こうした優越的地位にある人だけを潤す、「アメリカ型格差社会」を追い求める政治に、はっきり「NO」と言うべき時、それは今をおいて他にはない。
 「日本型の共に生きる社会」を目指し、「努力すれば報われる社会」を創るために、今こそ、国民の皆様の合意の下、政治構造を大きく転換させなければならない時が来ている。
 本年も、たゆまぬ戦いを続けて参ります。