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かんぼの宿・売却問題について―早急かつ徹底した疑惑の解明をー

text by

小泉龍司

2009.02.13

(1)郵政民営化に伴って売却されることになった「かんぽの宿」を、オリックス不動産が落札したとして、日本郵政が売却の認可を求めたのに対し、鳩山総務大臣が 【1】何故オリックスなのか 【2】何故一括売却なのか 【3】何故(不動産価格が下がっている)この時期なのか、がよく分からないとして、認可に難色を示した。これを端緒として、そもそも本当に公正な競争入札が行われたのか?という点について大きな疑惑が生まれている。

(2)土地の取得と建設に2,400億円かかった、70の施設の落札価格が約109億円。オリックスの宮内社長は、総合規制改革会議の議長をつとめた小泉構造改革の旗振り役であり、一方、郵政民営化は小泉構造改革のシンボル・「本丸」であった。
 「旗振り役」と「本丸」が、いつしか(公の財産の払い下げ、という形で)結びついていることを知った国民は、当然のことながら、疑問を持つ。鳩山総務大臣の言うとおりである。そして、その後の、日本郵政西川社長の対応がこの「疑問」を「疑惑」に変えた。

(3)もし、正当な手続きに従って公正な競争入札が行われたのであれば、西川社長はすかさず、証拠となる文書を持って鳩山総務大臣のところへ飛んで行ったはずである。あるいは、追及を受けた衆議院・予算委員会で、それらを示し、入札手続きの正当性を詳細に説明したはずである。
 ところが、未だに鳩山大臣に対して、納得のいく説明が行われていない。また、予算委員会の中継を見たが、西川社長は、入札手続きの正当性を強く主張するのかと思いきや、なんとそうした説明を行うことなく、「第三者も入れた検討委員会を作り、もう一度白紙に戻して検討する。」との答弁を行ったのだ。
 何故、かくかく然々、ちゃんとした手続きをやりました・・・と堂々と説明できないのだろうか?結果として、そこに大きな疑惑が生まれることとなった。

(4)郵政民営化への信頼が揺らぎかねない、これほどの大問題について、説明責任が果たせないこと自体、社長としての適格性に欠ける、と言わざるを得ないし、国会すなわち国民に対し、明確に手続きの内容を説明できないのであれば、そのことをもってして、既に正当な手続きとは言い得ない。
 案の定、2月10日付毎日新聞朝刊に「日本郵政・入札額創作」という見出しの記事が載った。それによれば、『日本郵政はこれまで「(最終入札者)オリックス不動産109億円、2位が61億円を提示した」として説明していたが、2位の「61億円」は実際に提示されたものではなく、日本郵政が一定の条件で推計したものであった。「適正に行われた」と日本郵政が主張している入札手続きに、新たな疑問が浮上した。』

(5)これ以外にも、様々な不自然な経緯が指摘されている。
 国民共有の財産であったものが私企業の所有物となる、その過程、手続きは極めて重要な問題である。「改革利権」と呼ばれる実態があるのか、ないのか…。一刻も早く疑惑を解明する必要がある。総務省は責任をもって、事に当たってもらいたい。