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2つの数字が求める政治の「本物の覚悟」

text by

小泉龍司

2009.02.25

(1)麻生内閣の支持率がさらに低下し、一部には一桁台の世論調査結果(2月15日・日本テレビ)も出始めた。中川財務大臣の辞任が、支持率の一層の低下もたらしたことは明白であるが、この問題は既に「不支持」であった有権者の「不支持の程度」をさらに大きく強めたことも、忘れてはならない。
 「自民党議員が地元に帰って感じる体感・不支持率は、世論調査に現れた70%台の不支持率よりもさらに厳しい」との報道がそのことを端的に物語っている。

(2)支持率低下の理由として、麻生総理の指導力への評価が低下していることが指摘されている。発言のブレ、政府のブレ・・・が何度も報じられてきた。
 私は、そうした総理の行動への評価の奥底にある問題、国民が納得しない本質的な問題は、総理のそして自民党の「覚悟の欠如」であると考えている。
 昨年の第4四半期(10~12月)のGDPは、年率換算12.7%のマイナス成長であった。そして本年1~3月期の成長率も、民間機関によれば、マイナス15%に達すると見込まれている。
 加えて、本年中の回復は難しいとの予測が多数を占める中、このまま現在の景気の落ち込みが夏以降まで続くとすれば、日本経済はマイナス10%以上の落ち込みになる。10の経済規模が9に「収縮」するのである。
 今我が国は、戦後経験したことのない経済危機に突入している。あらゆる手を尽くさねばならない。
 そして何より政治には、この危機に立ち向かい。国民とともにその苦痛を分かち合う、深く強い覚悟が求められている。特にわが国には、急速に経済格差が生まれてきており、非正規雇用労働者、中小企業、地方経済など、多くの国民の経済的存立の基盤が揺らぐ中で、この経済危機を迎えることとなった。事態は諸外国と比べ、より深刻である。

(3)自民党がどうなろうとも国を救う、という気迫と覚悟を、どうして麻生内閣は国民に示せないのだろうか?
 自民党総裁ではなく、日本国のリーダーとしての立場に立って、行動できないのだろうか?
 同じ問いが自民党にも突き付けられている。トップ(表紙)を変えること三度(安倍・福田・麻生総理)。民意を問わず、さらにポスト麻生に走ることは、自民党の延命のためであろう。国を思ってのことではない。多くの国民はそう感じている。

(4)内閣支持率と経済成長率。政治のリーダーシップと経済の急速な落ち込みと危機を示す2つの数字が、解散総選挙すなわち、民意に基づく新政権の確立と政治の「本物の覚悟」を強く求めている。