1.沖縄・尖閣諸島の近海で海上保安庁の巡視船に中国漁船が衝突した事件で、那覇地検は24日に、中国人船長を処分保留のまま釈放すると発表した。
同地検は、その理由として「我が国国民への影響や今後の日中関係を考慮した」と述べたが、次の2点においてこの処分は筋が通らない。
2.この事件は刑事事件であり、検察当局は刑事訴訟法に則り粛々と手続きを進める必要がある。
それが法治国家としての根本原則である。その根本原則があるからこそ、日本という国が成り立っている。
法の遵守を厳しく求めるべき検察当局自身が、上記のような配慮を行ったとすれば、職務権限を越えた越権行為である。
第二に、政府がこれはあくまで地検の判断である、というスタンスを取っていることである。
地検の越権行為をさらに政府が是認したとすれば、これは極めて大きな問題である。
法治国家としての法令遵守義務を、政府自らが放棄したことになるからである。
3.しかしながら、そもそもこれ程大きな国際問題になっている事件の処理を、地検の一存で決めることができるであろうか。
多くの国民の皆さんが感じているように、表向きは地検の判断であると装いつつ、実際は政府の判断により釈放を決めたのではないか。
我が国の「領土」(領海)で起きた刑事事件について、厳正な法手続きにより刑事責任を問うことは、法治国家としての「主権」の行使そのものである。
その主権を放棄するかのような今回の釈放は、決して認められるものではない。
日中友好関係の維持は重要である。しかしそれは日本の主権よりも上位にある「国益」ではない。
最も大事な「国益」は、国家としての固有の主権を守り通すことである。
どこの国でも、そう判断し、そう行動している。