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衆議院において自由民主党と院内会派を組むことに致しました。―2大政党制の状況と今後の展望―

text by

小泉龍司

2011.12.14

1.これまで私は、城内実衆議院議員とともに、無所属議員の院内会派(注)「国益と国民の生活を守る会」を作り、活動して参りました。
 2大政党制の下で、我々は法案等に関し是々非々の対応を行ってきました。
 しかしながら、地元の多くの皆様方から次のようなご指摘も強く受けてきました。

  1. 是々非々の対応も分かるが、やはりいずれかの政党に所属して、自らの意見をより大きな場で主張しなければ、現実的にこれを実現することは難しい。
  2. 今後政界再編の動きもあり得るが、少なくとも現時点では2大政党が現実的な政策調整の担い手になっており、自民党、民主党いずれかの2大政党に所属することを現実的な判断として決断するべきである。
  3. 民主党に期待したが、やはり政権を担うには未熟である。他方、自民党も国民の期待に応えるには至っていないが、これを改革し、国民の期待に応えられる自民党の姿になるよう導いてほしい。

2.こうしたご意見を踏まえてこの夏以降、熟慮して参りました。また地元後援会の皆様とも意見交換を重ねてきましたが、この度、自民党と院内会派を組むことを決断致しました。
 無所属ですが、衆議院内においては、会派「自由民主党・無所属の会」に所属して活動することになります。

3.ひるがえって考えてみると、TPPも消費税の問題も、現在のところ2大政党の内部にそれぞれ賛成論、反対論があり、国政の最重要課題が2大政党の対立軸にはなっていません。本来であれば、こうした重要問題について意見を同じくする議員が集まり政党を構成することが望ましいことは言うまでもありません。
 しかしながら、こうした再編はなかなか進みません。それは2大政党が対立する小選挙区制度が導入されていることによる部分が大きいと考えられます。

4.日本の現役世代人口がピークアウトしたちょうどその年、1996年に、現在の小選挙区制度が導入されました。それから15年、5回の選挙を経て、小選挙区制度は次のような特徴をもっていることが明らかになってきました。

  1. 得票数の差に比べて、より大きな議席の差が生まれる。例えば得票数が1対2であれば、獲得議席数は1対4になると言われている。
  2. その結果、その時々の世論の動きで選挙結果が極めて大きく動くことになる(自民党大勝の後の民主党大勝)。
  3. 選挙区では1議席をめぐる選挙となるため、相手を批判することが最も有効な選挙戦術になってしまい、その延長線上で国会においても、2大政党間の批判合戦が続いている。

5.こうして2大政党間の感情的対立は激しくなる一方で、政策内容は似通ったものになってきています。
 より多くの有権者(正確に言えば過半数の有権者)の支持を得る必要があるため、極端な主張は避け、より中庸の政策を目指すことになるからです。極端な主張をすれば、それに合意しない有権者を相手政党の方に追いやってしまうことになります。
 海岸の砂浜で2軒のアイスクリーム屋が店を構えてアイスクリームを売ろうとした時、結局は2軒とも海岸の中央に立地することになるという「ゲームの理論」で説明されることもありますが、現実に民主党の自民党化が進んできた結果、現在の2大政党の政策には次第に本質的な差異は見られなくなってきました。
 TPPや税・社会保障の一体改革など、国家運営の基本に関わる政策について、両党内にそれぞれ賛成・反対があり、これらの重要政策の是非が2大政党の対立軸になっていない、という事実こそ、このことを如実に物語っています。

6.こうした状況の下で、ダイナミックな政策論が行われることなく、他方政党間の「対立」だけは続いています。
 今、政治に求められていることは、「誰が」やるかではなく、「何を」やるかを明示することです。
 私の日本再生に向けての基本政策は、この年末から来年1月にかけて、ホームページに掲載させて頂きます。その実現を期するため、今回の会派形成を一つの現実的な足がかりとして、混沌とした政治の状況に活路を切り開いていきたいと考えております。
 何卒、ご理解を賜りますよう、切にお願い申し上げます。

(注)院内(衆議院内又は参議院内)において、基本的に同一行動をとることを前提にした議員のグループを「会派」と呼ぶ。原則として一つの政党が一つの会派となるが、今回のように、無所属議員だけあるいは政党+無所属議員が会派を構成する場合や、まれには複数の政党が一緒に一つの会派を作ることもある。