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年頭のご挨拶

text by

小泉龍司

2012.01.01

 平成24年の新春を迎え、心よりお慶び申し上げます。
 昨年は誠に厳しい年でありました。3月11日の東日本大震災と、それに続く福島第一原発事故は被災地に大きな傷跡を残し、今なお多くの被災者の方々が、仮設住宅や県外の避難先で苦しい生活を余儀なくされています。加えて秋以降は欧州発の金融危機と円高により、我が国は経済的にも深刻なダメージを受け続けています。
 昨年一年の間に我が国が直面したこうした様々な問題を鳥瞰すると、超長期から短期に渡る複数の問題が、まさに折り重なって起こっていることに気づきます。
 原発のマネージメントは、使用済み核燃料の処理を考慮すれば1万年単位の問題です(プルトニウムの半減期は2万4千年)。また、マグニチュード9を超える大震災と津波は、前回9世紀に東北地方を襲っており(貞観地震)、1千年単位をサイクルとする災害であることが明らかになりました。日本の人口動態(高齢者の増加、若者の減少)は、この100年で大きくかつ急速に変化し、デフレの大きな要因になっています。日本の財政赤字構造は、次の10年間を持ち堪えられるかどうか、極めて難しい局面を迎えています。
 しかしながら、こうした1万年、1000年、100年、10年といった多様な時間軸を持つ問題群に対して、これに対処しようとする政治家、官僚の対処サイクルは、せいぜい2年です。政治家は、平均2年半ごとの選挙(衆議院の場合)までのことしか考えず、官僚も1~2年ごとの人事異動を意識して仕事をします。つまり、日本という国の内実は、実質的に2年先のことしか考えられない非常に短いサイクルで動いているのです。
 先の大戦に突入する直前に、海軍首脳が「2年間は確算あり。」と述べ、これが開戦への一つの大きなきっかけとなった、という史実も、こうした国家としての対応サイクル短さを如実に表しています。今やテレビに至っては、「10秒に一度」面白いことを言えない政治家は声をかけない、と言われ、政治家のサイクルは極小に向かっています。
 日々を生きる国民に変わって、より長い時間の座標軸を用いることこそが、政治家に課せられた本質的な使命であると思います。目前の現象に長い時間軸の尺度を当てることにより、初めて問題の本質を突きとめることができる複数の課題に、今我々は直面しています。
 その意味で、まさに「国家百年の計」を立てなければならない年、それが平成24年であると私は確信しています。
 危機の時こそ、腰を据えて遠くを見通し、決然と行動していく。
 私はその覚悟をもって、今年も全力で頑張って参ります。
 本年もどうかよろしくお願い申し上げます。
 末筆となりましたが、ご家族皆様ともどもご多幸を心よりお祈り申し上げ、新春のご挨拶とさせて頂きます。

衆議院議員 小泉 龍司