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第47回衆議院総選挙を迎えて

text by

小泉龍司

2014.12.02

1、本日12月2日(火)に、第47回衆議院選挙が公示となり、12月13日(土)までの12日間の選挙戦が始まりました〈投票日は12月14日(日)〉。
 今回の総選挙は急な解散によるものであり、また年末にさしかかる皆様方が大変お忙しい時期の選挙となってしまい、多くの方々にご負担をおかけ致しますこと、まずお詫び申し上げます。

 安倍総理によれば、今回の選挙は「アベノミクスを前に進めるか、それとも止めてしまうのか、それを問う戦い」です。
 皆様はどのようにお考えでしょうか。

 アベノミクスにより、これまで恩恵を受けた方と受けていない方がいらっしゃると思います。
 また、アベノミクスは継続中の施策であり、必ずしも政策効果がすべて出尽くしているわけではありません。
 したがって、この段階でアベノミクスの是非を問われても、なかなか一概には結論を出しづらい、という方も多いのではないでしょうか。

2、私の考えを以下に申し述べます。

(1)アベノミクスは、必ずしも所期の目的を達成するには至っていません。
 株価は上がりましたが、企業の設備投資はさほど伸びていません。
 円安になりましたが、輸出量はほとんど増加していません。
 春闘で大企業の賃金は上がりましたが、消費税率引き上げと円安による輸入物価上昇により、実質賃金は目減りし、本年4月以降は個人消費はマイナスで推移しています。
 有効求人倍率は上昇しましたが、増えているのは非正規雇用で、正規雇用は減少しています。

(2)アベノミクスは20年以上前の時代ならば、もっと大きな効果をあげたと考えられます。
(イ)当時は、人口増加が続き、今後も経済は大きくなるという「期待」がありました。
(ロ)当時は、経済成長率以上に賃金が増加していました
 
(3)しかしながら現在は、このいずれについても異なった状況にあり、それがアベノミクスにブレーキをかけています。
 人口減少と、非正規雇用の増加により賃金がなかなか増加しない雇用構造――という形で、日本経済のバックグラウンドが変わってしまったからです

(4)したがって、今後の日本の経済を考える場合、アベノミクスの是非を問うこと以上に、この二つの問題を解決する政策を提示することが極めて重要であると、私は考えております。
 特に人口減少は日本が直面する根本問題であり、2040年以降に全国の自治体の半数以上が消滅する可能性が指摘されても、未だ「政治」の側は十分な想像力が働いていない状況にあります。

(5)人口減少、そして格差拡大に歯止めをかけるためには、「次世代支援」を政策の中心に据える必要があります
 諸外国では、若者の数が減り、人口が減れば、国を維持し守ることができなくなるという意味において国家存立の問題が生じるため、次世代支援は極めて手厚く、様々な工夫のもとに実施されています
 特に我が国では諸外国とは異なり、非正規雇用という雇用形態を認めている以上、賃金水準が極めて低い非正規雇用に就く次世代の若者を支えていく仕組みを整える必要性は、より大きいと考えます。

(6)次世代支援は、若者の雇用と所得の安定―→結婚できる経済条件を整える―→子育てできる経済社会条件を整える、という順序で整備していく必要があり、諸外国における「給付付き税額控除制度」や「家族手当」などを踏まえ、早急に政策の実施に向かって進まなければならないと考えております。

 以上の点について、どうかご理解を賜りますようお願い申し上げます。