平成十五年十二月四日(木曜日)
午前十時開議
出席委員
委員長 田野瀬良太郎君
理事 鈴木 俊一君 理事 萩山 教嚴君
理事 村井 仁君 理事 山本 明彦君
理事 永田 寿康君 理事 平岡 秀夫君
理事 松本 剛明君 理事 上田 勇君
江崎洋一郎君 江藤 拓君
加藤 勝信君 北川 知克君
熊代 昭彦君 小泉 龍司君
河野 太郎君 七条 明君
田中 英夫君 谷川 弥一君
中村正三郎君 蓮実 進君
林田 彪君 原田 令嗣君
宮下 一郎君 山口 泰明君
渡辺 喜美君 五十嵐文彦君
井上 和雄君 生方 幸夫君
小泉 俊明君 佐藤 観樹君
鈴木 克昌君 鈴木 康友君
仙谷 由人君 達増 拓也君
中津川博郷君 中塚 一宏君
計屋 圭宏君 吉田 泉君
遠藤 乙彦君 谷口 隆義君
佐々木憲昭君
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財務大臣 谷垣 禎一君
国務大臣
(金融担当) 竹中 平蔵君
内閣府副大臣 伊藤 達也君
総務副大臣 山口 俊一君
財務副大臣 山本 有二君
財務大臣政務官 七条 明君
政府参考人
(警察庁刑事局長) 栗本 英雄君
政府参考人
(警察庁刑事局暴力団対策部長) 近石 康宏君
政府参考人
(金融庁検査局長) 佐藤 隆文君
政府参考人
(金融庁監督局長) 五味 廣文君
政府参考人
(公安調査庁次長) 柳 俊夫君
政府参考人
(財務省国際局長) 渡辺 博史君
参考人
(日本銀行総裁) 福井 俊彦君
財務金融委員会専門員 鈴木健次郎君
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委員の異動
十二月四日
辞任 補欠選任
中村正三郎君 蓮実 進君
西田 猛君 北川 知克君
山口 泰明君 加藤 勝信君
漆原 良夫君 遠藤 乙彦君
同日
辞任 補欠選任
加藤 勝信君 山口 泰明君
北川 知克君 西田 猛君
蓮実 進君 中村正三郎君
遠藤 乙彦君 漆原 良夫君
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十一月二十七日
一、財政に関する件
二、税制に関する件
三、関税に関する件
四、外国為替に関する件
五、国有財産に関する件
六、たばこ事業及び塩事業に関する件
七、印刷事業に関する件
八、造幣事業に関する件
九、金融に関する件
一〇、証券取引に関する件
の閉会中審査を本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
政府参考人出頭要求に関する件
金融に関する件(金融危機に対応するための措置の必要性の認定に関する報告)
金融に関する件
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○田野瀬委員長 これより会議を開きます。
金融に関する件について調査を進めます。
この際、去る二日、預金保険法第百二条第六項の規定に基づき、国会に提出されました金融危機に対応するための措置の必要性の認定に関する報告につきまして、概要の説明を求めます。金融担当大臣竹中平蔵君。
○竹中国務大臣 十二月二日、預金保険法第百二条第六項に基づき、株式会社足利銀行に対する同条第一項第三号に定める措置の必要性の認定の内容に関する報告書を国会に提出申し上げました。
本日、本報告に対する御審議をいただくに先立ちまして、本報告を提出するに至った経緯及び本報告の内容等について御説明申し上げます。
株式会社足利銀行については、十一月二十九日、同行から金融庁に対して、平成十五年九月期決算において債務超過となる旨の報告があり、あわせて、預金保険法第七十四条第五項に基づき、その財産をもって債務を完済することができず、その業務もしくは財産の状況に照らして預金等の払い戻しを停止するおそれがある旨の申し出がなされました。かかる状況を踏まえ、同日、金融危機対応会議の議を経て、同行について同法第百二条第一項の第三号措置を講ずる必要がある旨の認定を行うとともに、預金保険機構が同行の株式を取得することの決定を行いました。
今回の認定等につきましては、同行が栃木県を中心とする地域において果たしている金融機能の維持が必要不可欠であることなどを総合的に勘案し、第三号措置を講ずることとしたものであります。
同行においては、今後選任される新経営陣のもとで、預金保険機構が全株式を所有する特別危機管理銀行として、適切な業務運営を確保しつつ、健全化に向けて経営改革を進めることとなります。
今回の特別危機管理開始決定後も、同行においては、引き続き通常の営業が行われ、預金等負債については種類を問わず全額保護され、期日どおり支障なく支払われます。また、融資面については、今後年末の金融繁忙期を迎えることにも配慮し、同行において、善意かつ健全な借り手への融資についてきめ細やかな対応が図られることとなっています。
さらに、同行が業務を行っている地域の金融及び経済の安定に万全を期すため、直ちに政府において関係省庁等連絡会議を設置し、十二月二日に第一回会合を開催しているところであります。
ただいま御説明申し上げましたとおり、今回の株式会社足利銀行に対する必要性の認定は、金融危機を未然に防ぐための万全の措置として講じたものであります。政府としては、今後とも、金融システムの安定を確保していくとともに、日本銀行とも緊密な連携をとりつつ、預金者の保護、信用秩序の維持に万全を期してまいる所存であります。
御審議のほど、よろしくお願い申し上げます。
○田野瀬委員長 これにて概要の説明は終了いたしました。
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○田野瀬委員長 この際、お諮りいたします。
本件調査のため、本日、政府参考人として財務省国際局長渡辺博史君、金融庁検査局長佐藤隆文君、金融庁監督局長五味廣文君、警察庁刑事局長栗本英雄君、警察庁刑事局暴力団対策部長近石康宏君、公安調査庁次長柳俊夫君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田野瀬委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
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○田野瀬委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。小泉龍司君。
○小泉(龍)委員 おはようございます。自由民主党の小泉龍司でございます。早朝から御苦労さまでございます。
このたびの件は、さまざまなディテール、細かい説明をたくさん聞けば聞くほど、その本質がよくわからなくなってくる。質問の直前まで、私も、珍しく頭の整理がなかなかつかなかったんですけれども、そういう中で、さまざまなリアクションがございます。
一番先鋭的なリアクションは、栃木県の福田知事、三十日の会見で、監査法人の豹変ぶりには納得がいかない、監査法人に何らかの圧力がなかったのか司法の力で調べてほしい、ここまでおっしゃっているわけでございます。私も、よもや、金融庁が直接監査法人に圧力をかける、直前にそういうことがあった、そういうことはまずないだろう、そのように確信に近いものを持っているわけでございますけれども、広く栃木県の県民を代表される知事という要職にあられる方が金融行政に向かってこういう言葉を投げかけてくるということは、やはり金融行政上看過できない大きな問題じゃないかというふうに思うわけでございます。
当事者である監査法人、あるいは検査当局、あるいは金融行政当局そのもの、こういったところに何らかの意図あるいは恣意性、こういうものが不透明な形で作用する、そういうことがなかったかどうか、きょうは、この委員会の審議を通じまして、厳密な形で、大臣、副大臣等にお答えをいただければありがたいと思うわけでございます。
さて、本質は何かと考えていきますと、金融行政の中心を担うのは金融当局の行政の方針あるいは検査の具体的なあり方でございますけれども、そこに監査法人の監査という大きな要素が組み込まれている。これは、あくまで独立しているんです。監査法人は監査法人です、検査は検査です、金融の行政方針は方針です、全部独立しているんです、こういう建前にはなっています。また、ファイアウオールもあると思います。大臣は、事前に絶対監査法人と連絡をとるなと厳命を下しておられる。係の末端までそれが行き届いていることもよく存じております。しかし、それでも一体としてこの三者は動いてきたし、また動いていこうとしている、私はそのように思えてなりません。
今回の三月期の検査、その検査結果が非常に予想より厳しかった、そういうふうに、足銀だけじゃなくて監査法人も受けとめ、また、その結果、九月期の決算の内容の査定に当たりまして、金融庁の検査の三月期の厳しさというものを踏まえて監査法人が繰り延べ税金資産に手をつける、こういうような連動が起こったのではないかなというふうに思うわけでございます。
さらに、事後的に申し上げれば、金融庁の検査マニュアルと監査法人の監査マニュアルにどうもまだしっくりいかない部分があるから、今年度中にこれを見直す、もう一度見直して、これを一体のものとして考え直していくんだということを監査法人の代表者はおっしゃっておられる。金融行政の方針の大枠の中についていくんだ、こういう考え方をおっしゃっておられる。
しかし、建前は別々でございますから、繰り延べ税金資産をなぜ取り崩したのか、その説明責任は金融庁は一切負わない。金融システムの一番大事な部分のその判断が民間の監査法人にゆだねられ、これは独立しているんですよ、我々は権限もないです、答弁できません。民間の方を参考人で呼んでみてもらちが明かない。こういうジレンマの中に我々は置かれている。
ですから、建前と、そこで、しかし実態としては一緒に動いているんだというそのギャップについて、やはり何らかの形で、そもそもは繰り延べ税金資産という制度、仕組みに大きな問題点があるんだと思います、恣意性が挟まる問題点があると思いますけれども、そういうところに、この栃木県知事、あるいは一般の関係者、一般の国民の金融行政に対する大きな疑念、恣意性、大臣のお考え、足利銀行を見せしめにしたんじゃないかというような言い方まで出てくる。これは大きな副作用が出てくるわけでございますので、この点について十分御検討いただきまして、ここの質問にもお答えいただきたいと思います。私が質問に立たせていただいて一番言いたかったのはこの点でございまして、あとは、この問題の中で具体的な御質問を申し上げたいと思います。
三月期の決算の検査でございますけれども、金融庁が九百五十億余りの追加引き当てを求め、最終的には二百三十億の債務超過という査定を行いました。これにつきまして、当該監査法人は、足銀にも監査法人にも、自己査定あるいは監査、これを主要行並みに厳しくやるという理解はなかった、こういうことをはっきり述べているわけでございます。また、金融庁が大手銀行並みに深く掘り下げた検査を今回行ったのは、「りそな」問題をきっかけに方針が変わったんじゃないか、こういうことまで言っております。
これは方針が変わったんですか、それとも誤解があるんですか。誤解があるとすればどういう誤解があって、その誤解が生まれた理由はどういうところにあったと認識されますか。大臣の御答弁をいただきたいと思います。
○竹中国務大臣 冒頭に小泉委員から大変大きな問題意識を開示いただきました。
基本的には、今のシステムというのは、それぞれの役割、会計士の役割、企業の役割、金融当局の役割、それぞれがいわば分権的にそれぞれの役割を果たしながら、全体として、社会の一つの機能を果たしていこうというシステムになっておりますので、委員おっしゃったように、その個々の役割と全体のバランスを常に念頭に置いていろいろなことを進めていくというのは、これは大変必要なことであると思います。その点は重く受けとめて御答弁をさせていただきたいと思います。
直接委員からお尋ねのございました、地域金融に対する全体的なスタンスのお尋ねであろうかと思います。
御承知のように、主要行に対しては、これはもう世界のマーケットの中で競争する主体であり、ちゃんとリソースも持っているんだから、きっちりと不良債権を処理する、ルールどおりに不良債権の処理を進めてくれという目標を我々としても持っております。しかし、中小・地域金融機関に関しては、地域の再生、地元の中小企業の再生を通して、その特性を生かしながら金融機関も健全化してほしいという意味での、いわゆるリレーションシップバンキングのアクションプログラムを我々は持っているところ、委員よく御承知のとおりでございます。
今回、いろいろな形で、リレバンの方針を変えたのかとか、ないしは従来より厳しく何か事柄に臨んだのかという御指摘が聞こえてくるわけでございますが、我々はこのリレーションシップバンキングの政策を粛々と遂行しているつもりでございます。
ともすれば誤解がありがちなのは、私たちは、検査そのものに対して、従来から、大手の銀行についてはきちっと検査しなさい、中小や地域の金融については別に甘く検査していいというようなことを申し上げたつもりはありません。
やはり検査は、資産の査定はきちっと行っていただかなければいけない、これまでもそうであったし、今までもそうであろう、今もそうであるというふうに思っております。これは、結局、金融機関の財務内容にもしものことがあって、その被害を受けるのは、同じ、共通の、預金者でありますから、大手の預金者と地域の預金者が何か違う立場にあるということはないのだと思っております。我々としては、その意味では、共通の会計基準やルールに基づいてさまざまな検査、検証を行っていく。基準やルールそのものは両者で異なるものではありません。
ただし、我々が大手の銀行に求めている、例えばディスカウントキャッシュフローとか、そういったベストプラクティスを地域に求めるということはありません。金融再生プログラムに書かれていることは、これは大手にだけ求めていることでございますので、そうしたことを地域に求めているということはこれまでもありませんし、今回ももちろんございません。
唯一、査定に当たっては、地域の銀行の与信業務の中心を占めている中小企業に対しては、金融検査マニュアル別冊の中小企業融資編を十分に踏まえた検証を行う、そのようなことはこれまでも求めておりますし、今回もそういった意味での検査等々の基準が従来から変わったということはございません。
リレーションシップバンキングの位置づけと検査のそもそもの性格について、ぜひとも的確に、広く御理解を賜るようにお願いを申し上げる次第でございます。
○小泉(龍)委員 時間の制約が気になりますが、ちょっと細かい問題で恐縮でございますけれども、今検査のお話を伺いましたが、今度は監査でございます、九月期の監査。
当該監査法人は、三月期の検査結果、これは直近に判明したわけでございますけれども、この三月期の検査結果を踏まえれば、債務超過ではないにしても過少資本となり、企業の継続性に疑念が生じた、継続できるかどうかわからない、こういうことで繰り延べ税金資産全額否認に至ったわけでございます。
しかし、この直前の三月期の検査結果、この監査法人が踏まえた三月期の金融庁の検査結果、ここでは金融庁は、繰り延べ税金資産の五年の計上を、二十八億減額はいたしましたけれども、認めたわけでございます。そして、そのときの状況というのは、検査の結果、三月期は債務超過だよ、二百三十億へこんでいますよ、へこんでいるけれども、繰り延べ税金資産は五年、二十八億減額して認めた。どうして認めたんですかと検査局に聞きましたら、来年増資が行われる、業務純益が毎年出ている、こういうものを総合的に勘案して、債務超過だけれども繰り延べ税金資産は検査結果としては認めたんです、こういう結果なんですね。
これを踏まえて、九月期は、監査法人は、過少資本、検査結果においてはまだ〇・九の自己資本が残っていたと思いますけれども、プラスの自己資本のもとで、しかし過少だから、これは継続できない、全額否認する。
ここは非常に大きな判断の方向性の違い、監査委員会報告六十六号の四ですか、同じ文書に準拠しているんだけれども、逆の方向を向いている。少なくとも、当該監査法人は過少資本であることを繰り延べ税金資産否認の理由にはできないんじゃないかと私は思います。検査の結果を踏まえれば、なおのことそのように思いますが、これは監査法人の問題でございますけれども、金融庁からどなたか、お答えをいただければありがたいと思います。
○伊藤副大臣 お答えをさせていただきたいと思います。
今、先生から御指摘がございましたように、足利銀行は、平成十五年三月期の決算で約千三百八十七億円の繰り延べ税金資産を計上しておりますが、私どもが三月期基準日の検査によりまして二十八億円減額をして、そして千三百五十九億円の計上を認めたところでございます。
九月期につきましては、監査法人は、私どもの検査結果を踏まえて、繰り延べ税金資産を計上してもなお自己資本比率が極めて低いこと、そして、繰り延べ税金資産の変動により債務超過となる可能性があること、そして、今後の収益見込みの一部が過大に計上されていること、こうしたことを銀行に指摘して、そして、足利銀行と監査法人が協議をした上で繰り延べ税金資産を全額取り崩したものと承知をしているものでございます。
なお、私どもの今般の検査については、三月期基準で検査をしたものでございますので、九月期現在の繰り延べ税金資産について判断を行っているものではございません。
○小泉(龍)委員 また時間をかけてここは検討していきたいと思います。
そして、こういう全体としての不透明性があるゆえに——私の地元でも、この二回の増資に応じた投資家がいるわけでございます。栃木県内を含めて一万社以上ですか、善意の投資家が優先株あるいは一般増資に応ずるという形で、もうけることを目的にはしていない、公共性を持ったそういう投資を行った。しかし、これが紙くずになってしまった。一方で、劣後債は負債勘定だ、資本勘定じゃないという非常に形式的な理由においてこれは守られる。優先株だって、議決権がないし、満期が来れば戻ってくる、ローンと変わらないじゃないか。こういう議論がどうしても、その根本の不透明性というものがあるために非常に強く関東平野北部にたまっております。訴訟も辞さない、このように言っております。
こういう点について、何らかの配慮、これはどういう内容が適切であるかは検討の余地があろうかと思いますが、何らかの配慮、これを国にも、金融庁にも御検討いただけないでしょうか。
○伊藤副大臣 ここは法的な枠組みがございまして、優先株は、普通株に対して配当等につき優先権を有するものの、あくまでもやはり株式でございます。したがって、法人の解散、清算の際には残余財産を分配することになりますが、債務超過の場合には、残余財産がないため出資額は毀損することになるわけであります。
他方、劣後債、劣後ローンは、劣後事由に該当する場合に一般債権よりも返済順位が劣後することを劣後特約で定めた債権でございまして、通常、破産宣告、会社更生手続決定、そして民事再生手続開始決定が劣後事由とされているところでございます。劣後事由に該当しない限り、法的に一般債権と同様の取り扱いになるわけでございます。
このように、優先株は株式であり、そして劣後債、劣後ローンは債権であることから、その法的な性格は全く異なっているものであり、預金保険制度上、同様の取り扱いをすることはやはりできないということでございます。
○小泉(龍)委員 法的な責任を負わないことはよくわかりますが、今後、こういうシステムは稼働しなくなりますよね。地域金融機関を地元の投資家が支えるというこのシステムはもう成り立たなくなるというふうに思います。栃木県が乗り出したということも、やはり地元の投資家にとっては大きな影響を持ったと思います。栃木県も含めて、なお引き続き御検討いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○竹中国務大臣 この問題、法的には今副大臣が御答弁させていただいたとおりでありますが、現実問題として、その株式を引き受けた、優先株を引き受けた方々の御心情を思うと、これは大変やはり遺憾なことであるというふうに思っております。
今回の三号措置に合わせて、関係省庁の連絡会議というのを我々も急ぎ設置いたしました。こういう対応策をとらせていただくのは、実はこういう問題に関しては初めてでございます。そうした場で、一体、そうした地域の皆様方の金融、資金繰り等々でどういうことで手助けができるか、これはしっかりと今話し合いをしております。この連絡会議を通して、我々としてできることをしっかりとして、地元の皆さんに御不安が広がらないようにしっかりと対応していきたいと思っております。
○小泉(龍)委員 くれぐれもよろしくお願いを申し上げたいと思います。
時間として最後の質問になると思いますけれども、再来年のペイオフ解禁に向けて、今回の問題、措置を大きな契機としまして、地域金融機関の健全性、地域金融機関を中心とした金融システムの再生、これに取り組んでいく大きなステップを踏み出していくことになると思います。不良債権処理というものを通じて、やはり、金融システム再生への取り組みが強まれば強まるほど地元経済にはマイナスの影響が及ぶ、地域経済は冷え込んでいくというジレンマ、しかしペイオフは迫ってくる、何とかしなきゃいかぬ、しかし地域経済は下がっていく、システムを健全化しようとするとまたダメージを与える、こういうジレンマの中に金融行政があるわけですけれども、このジレンマは、金融行政が陥ったジレンマというよりも、むしろマクロの経済政策が陥ったジレンマかもしれない、このようにも思うわけでございます。
大臣はアメリカのコロンビア大学におられて、私もたまたま国費でコロンビア大学にそのころいました。私は英語が苦手で、アメリカの悪い部分を見てきました。大臣は英語がお得意で、アメリカのいい部分を見てこられて、そこにどうも哲学の開きが出てきたわけでございます。私は、アメリカで大分英語で苦しみましたので、やはりヨーロッパだ、こういう考え方を今強く持っております。
アメリカの経済というのは、確かに、強いものをより強くすることによって全体を上げるんだ、こういうストーリー、これはアメリカの弱い人たちもそれを信じ込んでいるというふうに聞いております。構造改革はそちらを向いた政策でございますけれども、どうしても二極化が起こる。強いものと弱いもの、弱いものが地域経済、そこに沈み込みが始まっている。どうしても越えられない壁、格差、大きな経済格差が都市と地方に生まれている。これが資本主義の宿命のようにも受けとめられている。
しかし、ヨーロッパは違います。ヨーロッパは、企業承継税制一つ見ても、中小企業を守ろう、農家を守ろう、社会保障、こういう大きな政治理念のもとで自由主義経済を成り立たせようとしています。このヨーロッパの経済政策の理念、国家の理念、こういうものについて、ぜひ機会があれば大臣のお考えを伺いたいと思っておりましたので、この点についてお伺いをいたしまして、質問を締めくくりたいと思います。
○竹中国務大臣 私も英語で苦労しましたので、思いは基本的には同じでございます。
委員はマクロのジレンマというお言葉を使われましたが、全くそのとおりなんだと思います。バランスシートが傷んでいるからそのバランスシートの調整はしなければいけない、これは不良債権処理ということになります。しかし、その過程でマクロの経済がダメージを受ける、短期的に痛みをこうむることはあり得る。かといって、バランスシートをそのままほっておいたらマクロ経済はますます悪くなる。だからそこを、バランスシート、不良債権処理を詰めて、その狭い道をどうしても何とか通っていかなければいけないということだと思います。
委員がおっしゃるヨーロッパ型の政策理念というのはなかなか奥深いものだと思いますので、今この場で簡単には語れないと思いますが、実は、リレーションシップバンキングの考え方そのものは、ここは明らかに、世界で共通する、グローバルな競争をする主要行と分けているわけでありますので、その意味では、私自身は、やはり極めてヨーロッパ的な、まあ日本的なと言うかヨーロッパ的なと言うかはともかくとして、非アメリカ的な要素を我々としても十分に勘案しているつもりでございます。
御承知のように、IMF等々の審査では、こうした地域金融に関しても大手の銀行と同じような基準でやるべきであるというような、そういう考えが示されている。しかし、我々はそういう考えはとらないわけです。リレーションシップバンキングというのは、あくまでも地域に根差した金融をしていただいて、地域を、中小企業を強くして、それで金融機関自身も強くなっていく。その意味では、私は、委員がおっしゃったような形で今後もぜひ金融を、現実的に、しっかりと、日本の実情に合わせて進めていきたいと思っております。
○小泉(龍)委員 ありがとうございました。
質問の趣旨をぜひ生かしていただきますようお願いを申し上げまして、終わります。
○田野瀬委員長 次に、渡辺喜美君。
○渡辺(喜)委員 昨日、栃木県選出の自民党国会議員が全員集まりまして、本日どのような質問をしたらいいか討議をいたしました。きょうの私の質問はその国会議員の総意を受けて行うものでございますから、そのつもりでお答えをください。演説の部分は私の独自の見解も入っております。
栃木県では、ああ、鬼平犯科帳だなと言われているんですよ。平蔵さんのおかげで町が静まり返っている、そういう状況になりかねないのでございます。
今年度の足利銀行の期間収益は、予定を上回るペースで拡大基調に実はあったのであります。こういう銀行を破綻させればどうなるか。生きているものを突然殺しちゃうわけですね。そういたしますと、腐っていくんですよ。債務者企業も腐ってまいりますし、銀行本体も劣化をしていくんです。
百二条の一号、二号、三号、一体どれをやるんだろう、そういう議論がありました、二週間ぐらい前ですよ。最終的に三号措置をお選びになった。御案内のように、三号措置というのは、一番政府の責任の重い措置であります。そして一番お金のかかる措置であります。
そもそも、百二条の体系が実はピンぼけであるということを我々は指摘してまいりました。健全化法という法律をつくるときに、ちょっと原則を間違えてしまったんですね。
つまり、銀行の破綻処理というのは、例えば、ペイオフコストを超える資金贈与とか、あるいは特別公的管理、ブリッジバンクとか、あるいは清算というやり方があります。しかし、そういうやり方をやっては金融に特有の連鎖反応、システミックリスクが起きかねない、そういうおそれがある場合には例外的に資本注入ができる。したがって、この場合には、債務超過であろうがなかろうが関係ないんですよ。
ところが、健全化法をつくるときに、債務超過の銀行には資本注入はできない、そして、自己資本比率に応じて優先株を入れたり普通株を入れたり、健全な銀行にお金を入れるんだから必ず戻ってくるんだというフィクションをつくっちゃったんですね。その結果、逆算方式で、返してもらう分だけ入れたものですから、何年間かはもちましたけれども、結局、問題の根本解決に至らなかったということなんですね。そして、何か資本注入が原則論みたいになってしまっているわけであります。
やはり、こういうそもそも論をもう一回考え直すべきなんじゃないかと私は声を大にして申し上げたいのであります。
そこで、今回の破綻処理の背景、いろいろな説がありますよ。お怒りにならないで聞いてください。
第一の説は、今度、来年の通常国会に出されるであろう、予防注入、再編合併促進の法律、今検討している段階でございます。これを通すためのいけにえではないか。スケープゴート説というものですね。つまり、足利銀行を「りそな」型の一号措置でやってしまいますと、新法なんか必要ないじゃないか、幾らでも一号でできるじゃないか、こういう議論になりかねない。そういう説があります。
第二の説。「りそな」で懲り懲り説というものですね。「りそな」の一号措置でもって、これはモラルハザードだと大変批判をされた。株価対策じゃないか、こういう話も言われましたね。そこで、もう金輪際こんなことはやりたくないというので、今回三号措置に来たという説であります。
第三の説は、対日投資促進説。小泉・ブッシュ会談において、対日投資が促進される合意がなされました。あおぞら銀行も新生銀行も外資系投資ファンドがお買いになっておりますね。そういたしますと、地銀に新たな玉が出てくれば対日投資が促進されるじゃないか、こういう解説をする人もいます。
それから、きょう発売の週刊誌などでは、北朝鮮制裁説みたいなものが言われております。北朝鮮への送金は足利銀行はもうやっておりませんので、破綻をさせて徹底的に暴いてやろう、こういうことなのでありましょう。
こういった言説が流布されているわけでございますが、真相は一体どういうことなんでしょうか。
○竹中国務大臣 まず、渡辺委員が冒頭でおっしゃいました、これは、まさに県民の思い、そしてそれを受けた県選出の先生方の思いというものがいろいろな御質問の背景にあると思いますので、一生懸命お答えをさせていただきます。
預保法そのものに対するお考えは、委員なりの一つの御見識だというふうに思います。この点につきましては、幅広くいろいろなところで御議論を賜るべき問題であろうかと思っております。
しかしながら、真相やいかんということになりますと、今の四つの説は、怒らないで聞けというふうに言われましても、これはやはりちょっと違うのではないか、ひどいのではないかというふうに我々としては申し上げざるを得ないと思います。
私たちとしましては、今与えられた法律の枠組みの中で、とにかく銀行自身が債務超過であり破綻だという申請をしてきたという状況の中で、どのような対応をとるべきかということをやはり粛々と考えて着実に実行している立場にあります。こうした中で、預金保険法の、もう委員よく御承知のように、一号というのは資産超過の場合、債務超過の場合は二号または三号、そうした中で、これは後からいろいろ、るる御質問が出るかもしれませんが、地域に対する影響を最小化したいという観点からこの三号の措置をとらせていただきました。
四つの説、いろいろなことを言われているのでありましょうけれども、我々としては、今申し上げましたように、銀行自身が債務超過であり破綻を申請するという、その申請が行われた中で、地域の金融を安定化させるための最善の政策を現行の法律にのっとってしっかりと行うという決意で今回の措置をとらせていただいたということでございます。
○渡辺(喜)委員 「りそな」のときは、もう明らかにこれは株価対策でしたね。株主責任は問わない。あの当時は株価が相当下落しておりました。したがって、株主責任を問うようなことをやってしまいますと、株の持ち合いを通して、生命保険会社に波及をしていったり、そこから別の銀行に波及をしていったり、そういうことがあったものですから、株主責任を問わない一号措置をやった。株数減資とか資本金の減資をすらあのときはやらなかったわけですね。
今回、三号措置をとった。恐らく株価動向をにらみながら、まあこれだったら大丈夫だろう、そういう御判断があったのではなかろうか、そういうことを言う人もいます。
先ほど、厳格な検査をやってきたのは、リレバン政策、リレーションシップバンキングの方針を変えたわけではない、こういう御説明がございました。
日本公認会計士協会の奥山章雄会長さんがこんなことをおっしゃっています。大手銀行と地銀は着ている服のサイズが違う、中小地域金融機関での貸出債権の引き当てでは見方に幅があることは金融庁も理解をしていたはずだ、今回、金融庁が大手銀行並みに相当深く掘り下げたのは、「りそな」問題をきっかけに方針が変わったのではないか、こういうことをおっしゃっているんですね。
御案内のように、奥山会長さんは中央青山監査法人の代表社員というお立場もあるわけでございます。もちろん、足利銀行の監査に関与されていたわけではなかろうと思いますが、同じ監査法人の代表社員でございます。
奥山会長はこんなこともおっしゃっています。今回金融庁は、大手銀行に使った収益還元法を適用して厳しい査定をした、こうおっしゃっています。例えば、担保評価について、従来でありますと積算法というものをやるんですね。今回は明らかに収益還元法を使って、かなり厳し目の担保評価をされました。
それは、先ほどの大臣の御答弁ですと、検査を甘くすることがリレーションシップバンキングの精神ではありませんよ、こういうお話でしたね。しかし、DCFは地域銀行には適用しない、こういうことだったと理解をしております。今回もDCFは適用していないと検査局長さんもおっしゃっておられます。
しかし、資産査定を厳しくし、担保評価で収益還元法を導入する、そういたしますと、当然、DCF的発想で資産をもう一回査定してみなさいよ、そういうことになるんじゃありませんか。現に、そういう指摘を受けたという現場の証言があるんですよ。いかがですか、そのあたり。
○佐藤政府参考人 お答え申し上げます。
今回の検査におきまして、私ども、標準的な検証の方法をとったというふうに認識いたしております。
担保評価の件でございますけれども、担保の評価は、特に破綻懸念先以下、回収の可能性の危険度の高い債権については、その担保評価額を正確に出す、処分可能見込み額がどれくらいになるかということを正確に把握することが非常に重要でございます。
それで、その担保評価のあり方でございますけれども、検査マニュアルにもございますように、不動産鑑定士の鑑定評価を使う場合、あるいは近隣の売買実例を参考にする場合、あるいは公示地価等を参考にする場合、それから再調達原価ということで積算価格を用いるような場合、それから収益還元法を使うような場合、いろいろな場合があるわけですけれども、それぞれの物件の性格に応じて、どれが一番適切かということがあるわけでございます。
それで、今回の検査におきまして、基本的には個別の詳細について申し上げるのは差し控えさせていただきたいと思いますけれども、一般論として、今申し上げたような趣旨で、できるだけ正確な担保評価額を出すことを目的として、今申し上げましたような幾つかの手法あるいは参考データを検査官と銀行側の担当者が議論をする、そういうプロセスでございます。このことは一般的に行われているところでございまして、そういうプロセスを経て、それぞれの物件について一番妥当な手法が選ばれているということかと思います。
特に、大口につきましては、かつ回収の危険度の高い債権についている担保については、特に正確な評価が必要ということで議論をしているわけでございますけれども、銀行が使っております積算価格というものをベースに、それを尊重しているという部分が多いということも事実でございます。
○渡辺(喜)委員 それではお聞きをいたしますけれども、足利銀行だけ特別に厳しい検査をやったのではない、こう理解してよろしいですね。
○佐藤政府参考人 そのとおりでございます。
○渡辺(喜)委員 ということは、今回足利銀行に対してなされた検査と同じ手法がこれから地銀の検査において行われていく、こう理解してよろしいですね。
○佐藤政府参考人 今回の足利について行った手法がこれからほかの銀行についても行われていくということよりは、私ども、もともと、会計の基準、会計ルール、検査マニュアル等に沿って、いわば共通の基準に沿って検査をやってきておりまして、足利銀行もその一例であったということでございますので、今後ともこれまでの方針に沿ってやっていくということかと思います。
○渡辺(喜)委員 これまでの方針どおりにやった、こういうことでございますから、これから地銀の検査はこのような形で行われる、こういうふうに私は理解をいたします。奥山公認会計士協会会長もこんなことをおっしゃっていますよ、地銀も気を引き締める必要があると。恐らく同じ趣旨の御発言をしておられるんだと思います。奥山会長は竹中タスクフォースチームの主要メンバーでもございますね。大臣は、この問題について圧力をかけたなどということは一切ない、こうおっしゃっておられるわけでございます。
いずれにしても、この問題はかなり、今後の金融行政について、よく言えば画期的な、エポックメーキングな出来事になるのは間違いないと私は思います。願わくは、足利銀行がスケープゴートにされたという歴史的な証明がなされないようにしていただきたいのでございます。
そこで、先ほどもお話がありましたが、優先株主さんが相当いらっしゃいます。これは大変かわいそうなケースもございまして、大体、優先株主さんというのは種類株主というんですね。種類株主総会は今回全然開いていないんですよ。
一方において、強制資本注入はできない、憲法二十九条があるからだ、そういう議論がありますね。しかし、今回行われたことは強制消滅じゃないんですか。どういう整合性があるんですか。消滅させる方は強制的にできるんですね。強制注入は、我々が何度言っても、いや、これは憲法があるからできないんだ。こういう、とてもちぐはぐな体系になっているんですよ、この国は。
先ほども、優先株主の救済の余地がないかという議論がございました。私は、デット・エクイティー・スワップというのがあるんですから、エクイティー・エクイティー・スワップというのをつくったらいいじゃないかと言っているんですね。つまり、残余財産の分配に優先的にあずかれる。今回、債務超過だから残余財産はないんだ、だからゼロなんだ、こう副大臣はさっきおっしゃいましたけれども。しかし、新銀行といいますか特別公的管理行の株は全部国が保有されるわけでしょう。この銀行の持ち分に転換をするような、そういう余地があったっていいじゃありませんか、優先株主さんには。いかがですか。
○伊藤副大臣 これは、先ほど大臣もお話しになられましたが、株主の皆様方の御心情を考えると大変遺憾なことでございますが、足利銀行はあしぎんフィナンシャルグループが一〇〇%の株式を保有する子会社でありまして、御指摘の優先株はあしぎんフィナンシャルグループの優先株式であります。他方、先生御指摘の新銀行は足利銀行を引き継ぐ受け皿たる銀行でありまして、あしぎんフィナンシャルグループとは別の法人でございますので、先生の御提案は大変難しいものと考えざるを得ません。
○渡辺(喜)委員 優先株の償還が来年の二月なんです。そういたしますと、借金をして増資に協力をした方々がいらっしゃる、その方々は、来年二月に入ってくるはずのお金、何千万もの方もいらっしゃるし何億円の方もいらっしゃるんです。これはゼロになります。そうすると借金だけ残る。まだ株が実現損をしたわけではないんでしょうけれども、しかし、評価損でも、これはもう強制評価減に匹敵する下落になるんですね。
そういたしますと、これがフローの業績に反映してくる。PLに出てきちゃうんです。赤字に転落をしていく。そうすると、債務者区分が下がっちゃうという企業が出てくるおそれがあるんですよ。こういうところに対しては当然引き当てを積み増しするんでしょうね。要注意から要管理になっちゃったとか、あるいは要管理から破綻懸念先になっちゃった、こういうところにきちんと新銀行はニューマネーを出せるんですか。
○五味政府参考人 まず、あしぎんのホールディング株式が実質的に無価値になったことによりまして、その株を保有しておられる地元の企業の方などが資金繰り等で困難に直面することがありませんように、関係省庁の連絡会議でもいろいろ話し合いをいたしまして、そうした株主の方を含めました借り手の方々への資金供給の円滑化ということに万全を期していきたいということで考えております。
また、保有株式が減価することで財務状況が悪化した場合と申しますのは、その財務実態というのは確かに悪くなるわけでございます。したがって、新銀行におきましては、借り手への円滑な資金供給ということに配慮しながら、かつ必要なリスク管理は行っていくということで、必要なリスク管理とバランスをとりながら、そうした債務者の方々への資金の供給についても十分な配慮をしていく必要があるというふうに考えております。
○渡辺(喜)委員 とにかく、この問題は非常に難しいですね。私も、どういう解決方法があるか、非常に思い悩んでいるところであります。しかし、先ほども申し上げたように、三号措置という、国が一番重い責任を負う、そういう措置をとっちゃったんですね。したがって、これは国の責任においてきちんと、地域の経済が劣化しない、そういう努力をやっていただきたいと思います。
一方、自治体が出資をしている分がございます。平成十一年と十四年に行われております。その際、自治体の側から見ますと、現金預金という資産が株式という資産に変わっただけなんですね。しかし、今回、この資産が極めて無価値に近い状態に今なってしまっているわけでございます。これは、今回の破綻処理によって自治体の方に新たな費用が発生するということになるんじゃありませんか。ということは、特別交付税でこの手当てをするということをやってもいいんじゃありませんか。どうですか、山口副大臣。
○山口副大臣 ただいま、先ほど来の渡辺委員のお話を聞いておりまして、大変な状況下にあるということは私どもも十分認識いたしております。
この足利銀行の処置に伴いまして、地域経済に大変重大な影響を及ぼすということが懸念されておるわけでありますが、そうしたことを受けて、栃木県におかれましても、知事を本部長として栃木県金融危機対策本部を設置なさいまして、県とか商工団体等において、特別金融相談窓口の設置や緊急セーフティーネットの資金の創設というふうなものを決定なさったとお聞きしております。
今後、こうした栃木県の対応も踏まえまして、国としても、地域金融システムの維持安定や、地域経済と雇用の安定を図るために、関係機関で的確な対応策を講じる必要があると考えております。先ほど渡辺委員の方からの御指摘があったとおりでございまして、総務省としても、実情をよくお伺いしながら適切に対処をしてまいりたい。
ただ、先ほど特別交付税というふうなお話がありましたが、実は、すべての出資が官民を問わずに無価値になってしまうというふうな状況である以上、自治体の出資分のみが救済をされるという措置を講じることは大変難しい。しかし、県としていろいろなスキームを考える中で、何か総務省としてお助けができないだろうかということはしっかり検討させていただきたいと思っております。
○渡辺(喜)委員 ぜひ、山口副大臣には政治家としての御判断をいただきたいと思うんです。
実は、この話は、後ほど申し上げる私の提案と関連する話ですから、ちょっとあと十分だけ聞いていていただけませんか。先ほども若干お答えがございましたけれども、改めて御質問をいたします。
年末越えの資金、これは当面の焦眉の急ですよ。この十二月、どうやって越すか。確かに相談窓口はできました。政府系の金融機関にも今殺到しています。しかし、やはり、足利銀行というのは、御案内のように、栃木県の中小企業の六〇%のシェアを持っているんです。足利銀行だけとしかつき合っていない企業もたくさんあるんです。こういう企業に対して、おまえら、政府系へ行ってみろ、ほかの金融機関へ行ってみろと言ったって、なかなかできるものじゃないんです。
年末越えの資金、どうなさいますか、要注意先に、あるいは要管理先、破綻懸念先。でも、例えば、実際は、残高がふえなければその範囲でニューマネーを出しているんですよ。それがリレーションシップバンキングなんです。その点いかがですか。
○伊藤副大臣 先生御指摘のとおり、足利銀行に対しては年末の資金繰りが大変心配されるところでございまして、この点に十分配慮をして、引き続き地域に円滑な資金供給が行われるよう、私どもとしましては、業務適正化命令、これを十一月二十九日付で発出しているところでございます。この中で、「預金者及び取引先等との取引において支障が生じないよう万全を期すこと」、そして、「善意かつ健全な借り手に対して、円滑な資金供給を図るよう配意すること」を命じたところでございます。
これを受けて、同行におきましては通常の融資対応がなされているものと承知をしておりますが、先生が御心配されているのは要注意以下の方々の件ではないかと思います。こういう要注意先以下の債務者についても、個々の債務者の実情に応じてきめ細かな対応がなされるよう、私どもとしては十分に配慮していかなければいけないというふうに考えておるところでございます。
○渡辺(喜)委員 今、足利銀行は、経営監視チームというんですか、進駐軍が今週の月曜日から常駐をしています。したがって、この進駐軍の御意向を受けてすべての業務が動いているわけでございまして、このお墨つきがなければ何にもできない、そういう状況なんですよ、実際。
したがって、これは国の責任は重大ですよ。冒頭申し上げたように、破綻させてしまえば、生きているものは必ず劣化していくんです、必ず腐っていくんです。この流れを食いとめることが今回問われているんです。預金保険法百二条ができて初めて三号措置が適用された、その真価が問われますからね。よろしくお願いします。
金融危機対応勘定というのが今回の公的資金で使われる財布ですね。たしか一兆九千億円ぐらいしかもう残りがないんだと思います。だんだん少なくなってきちゃったんですね。しかし、お金を惜しんだらだめですよ。釈迦に説法でございますが、預金の切り捨てをしない限り、金融問題というのは延々と財政問題になってまいります。ペイオフはやっていないんですから、今。
ということは、ここで三号措置という一番責任の重い、かつ、お金のかかる措置を選択した以上、新たに投入される公的資金の出し惜しみはあってはなりません。
いつごろ決めるんですか。一体幾ら入れるんですか。
○五味政府参考人 特別危機管理銀行につきましては、受け皿となる金融機関にこの銀行が引き継がれます際に資金援助が行われるということでございます。その際の資産、債務のその差額を資金援助していくということになりますので、現時点では資金援助が幾らぐらいになるかということが申し上げられない、申し上げる材料がないという状態でございます。
また、いつごろになるかというのも、今後、新経営陣、それから政府を含めまして、できるだけ早くということでありますが、現状ではまだ、いつというようなことが申し上げられる状況にございません。
それから、数字のお話がちょっとございましたが、一兆九千億余りというのは、これは危機対応勘定がその財源手当てのために現在借り入れを行っている、その借り入れの残高、つまり、りそな銀行に投入されました一兆九千六百億円分、この分を借り入れて、その借入残高が一兆九千六百億円であるということでございまして、この勘定の政府保証枠は十五兆円でございます。この十五兆円のうち一兆九千六百億円分の借り入れが実行されて、今、残高として残っている、こういうことでありまして、まだたくさんございます。
それから、十六年度、これはまだ予算要求を申し上げている段階ですが、この「りそな」で使うことになります分を別にして、なお従来と同じ十五兆円という枠が確保できますように、十六年度においては十七兆円の政府保証枠を今要求させていただいております。
枠は用意しておりますので、必要な資金援助に支障が出るようなことはございません。
○渡辺(喜)委員 いずれにしても、改革にはお金がかかるということです。お金だけ使って改革しないというのもだめ、お金を使わずに改革をやろうというのも、これもできない話なんです。この点は腹をくくってやっていただきたいと思います。
結局、今のお話にもありますように、出口のシナリオなんですよ、問題は。どういうシナリオを思い描いておられるんですか。
引き受け手がないという場合には、安楽死、あるいは対日投資促進で外資系ファンドに買ってもらうという道もあるでしょう。しかし、その場合には、彼らは商売になる部分しか買ってくれませんよ。身ぎれいになった部分だけしか引き取ってくれないわけでありますから、これは地域再生にとっては重大な支障が出てまいります。
あるいは、地域銀行、広域地銀をつくろうなんという話もありますね。だれが言っているのか知りませんけれども、埼玉りそなとくっつけちゃったらどうだとか、地元の地域信用金庫や地域金融機関とくっつけたらどうだとか、他人様の土地に絵をかくような議論がなされておりますけれども、そういう道を選ぶんですか。出口シナリオ、いかがでしょうか。
○竹中国務大臣 先ほど来委員が御指摘の点は、実はまさに我々にとって非常に重い御指摘だと思います。この三号措置というのはまさに初めてであります。この三号措置の真価が問われるんだ、別の言い方をすると、金融庁の真価が問われていると思います。
一点だけ、進駐軍が今行っているというふうにおっしゃいましたが、これはまさに、その意味は、こういう形で措置を講じた場合に、そこにいわば経営の空白といいますか、ガバナンスの空白ができて、通常貸し付けるべき貸し付けが行われないとか、そういうことになると困る。だから私たちの監視チームを送っております。ですから、先生が御心配することがないように、その監視チームをぜひ機能させなければいけないと思っております。
金額等々について今申し上げられることはありませんが、とにかく再生させるところはしっかりと再生させる。これまでこういう地銀では余りやったことのないような、例えばDIPファイナンスのようなことも、きちっとした経営者のもとで私はやればいいんだと思うんです。
そういうことができる経営者を早く見つけて着任させることこそが、先生がまさにお尋ねの、出口に向かうやはり最大のポイントになると思っております。これは、人選は大変難しいと思いますが、今申し上げたような趣旨を生かすためにも、この経営陣の人選が本当に重要でございます。出口のシナリオについては、その経営陣のもとで速やかに再生を図って、できる限り早期に三号措置を終える、それが預金保険法の趣旨なんだと思います。
預金保険法の百二十条には、三号措置を終えるものとしての四つのパターンが規定をされております。受け皿が存続するような合併、受け皿との新設合併、受け皿への営業譲渡、受け皿への株式の譲渡。ただ、いずれの場合にしましても、これは一つの形式でありますから、今回我々がこうした措置をとった趣旨は、地域の経済をしっかりとさせていこう、まさにそういう趣旨に基づいて、この三号の、我々の真価が問われているわけでございますから、その当初の目的を果たすべくしっかりと対応したいと思っております。
○渡辺(喜)委員 昨日、栃木県議会では、県民銀行をつくってはどうかという提案がなされました。私どもも大賛成であります。受け皿としてこういった、地域が本当にこの銀行を必要としているんだ、そういう覚悟を示すことが大事なことなんですね。
県民銀行が受け皿として名乗りを上げてきたらどうされますか。資本金、どれくらい必要なのかも教えてください。
○伊藤副大臣 今後の受け皿のあり方については、今大臣が答弁をさせていただいたように、現段階で今後どうなるかという見通しを述べることは困難でございますが、今御質問の県民銀行も含めて、新しい銀行のあり方、そういうことに対してどのように考えるかということにつきましては、一般論として申し上げれば、受け皿金融機関として最低の資本金の規制がございます。これは二十億円でございます。こうしたもの、そして自己資本比率規制、国内基準行の場合四%、これを満たす必要があるということでございます。
○渡辺(喜)委員 足銀のリスクアセットが三兆円ぐらいですから、そうすると、四%で千二百億円という感じですね。県は今、県庁舎建てかえで五百億ぐらい持っているらしいんですけれども、これは、建てかえをやめちゃえば、それくらいお金はできちゃうんですね。
また、足りない部分は、県債を発行して郵政公社にでも引き受けてもらえば、郵貯の地域還元になるわけですよ。栃木県から、郵貯だって三兆円ぐらいあるんじゃないですか。県債を発行したら引き受けていただけますか。どうですか、副大臣。
○山口副大臣 もう渡辺委員御承知と思いますが、郵政公社は、市場を通じた地方債証券の購入と、さらには財政投融資計画の一環として行う直接貸し付けの方法、この二つによって地方公共団体に対する郵貯、簡保資金の提供を行っております。
いずれにしても、委員御指摘の県出資分に充てる県債につきましては、具体的にこの起債のスキームあるいは発行条件等が明らかになりましたら、日本郵政公社に認められた地方公共団体に対する資金運用の制度にのっとって、発行条件等を踏まえ、公社において運用の是非を判断させていただくということになろうかと思います。
以上です。
○渡辺(喜)委員 ぜひ前向きに御検討をお願いいたしたいと思います。
やはり、こういう状況に至りますと、産業再生ということをあわせて考えなければいけません。私は、栃木県産業再生機構というのをつくれ、そして金融再生と一体でやるべきだという提案をしておりますので、ぜひ御協力をよろしくお願いいたします。
そして、足利銀行は、やり方次第によってはもう見違えるような銀行になれるんですよ。今、レガシーシステムにおんぶにだっこでありますが、オープン系のネットワーク型金融サービスを提供できるようになったら、もうシェアがべらぼうにでかい銀行ですから、これだけで見違えてしまうんです。物すごい収益を上げられるようになるわけでございます。
こういう点、どうですか、大臣、御感想は。
○竹中国務大臣 基本的に、同行が持っている潜在力というのは極めて高いものであるというふうに私たちも思っております。
今、そのシステムについての言及がございましたが、これはいわゆる情報システムだけではなくて、ビジネスモデルそのものを革新的にすることによってその力を存分に発揮させろという御趣旨であろうかと思います。
先ほどの新経営陣の選定の際にもそうしたことを十分に考慮して、ぜひこの銀行を再生させたい、三号措置の趣旨をぜひとも生かすように努力をしたいと思います。
○渡辺(喜)委員 とにかく、前向きにやっていかなければなりません。ピンチはチャンスでありまして、破綻をさせられた足利銀行が、次の未来には日本一すばらしい銀行になっている、栃木県が真っ先に、疲弊した地域経済の中で先頭を走る地域になっている、我々はそれを目指して頑張りますので、政府もよろしくお願いをいたします。
ありがとうございました。
○田野瀬委員長 次に、遠藤乙彦君。
○遠藤(乙)委員 公明党の遠藤乙彦でございます。
私は、今、公明党栃木県本部の代表という立場にもございまして、今回の問題に関連をいたしまして、地域の多くの方々と対話をしてまいりました。そういった地域の気持ち、希望等も含めまして、ぜひ質問をさせていただきたいと思います。
一言で言って、今の栃木県は、今回の措置に対して大変な怒りとまた恨み、あるいはまた不安が渦巻いておりまして、ある人の言葉をかりれば、突然栃木県に原爆が落とされたような思いだ、そこまで言っている人もいるわけであります。また、大変血も涙もないやり方であって、地域の実情を全く知らず、痛みだけを押しつける非常に厳しいやり方だ、そういった受けとめ方をしておりまして、ただでさえ地方経済の疲弊に基づき萎縮している中にあって、ますます心理的に萎縮している、そういった状況でありますので、ぜひ、まずそのことを大臣はよく知っていただきたいと思っているところであります。
私は、まず質問の第一は、今回の措置を、いわば地銀の代表的な存在である足銀に対して、突然三号処理というハードランディングを強いたわけであります。本来であれば、もっともっといろいろの手を打って、できる限りソフトランディングさせるべきであり、また、やろうと思えばできたものを、なぜいきなりハードランディングという、非常に犠牲の大きい、死傷者を伴うような、そういう措置に出たかということが第一の問題点であると思います。
特に今回の場合、システミックリスクが差し迫ってあるとはとても思えない状況だったと思いますし、また足利銀行の場合、業務純益が三月期決算、九月の中間決算ともに改善をしておりまして、経営の努力が着実に出始めているという状況であったわけであります。
そしてまた、今回の措置を考えますと、費用対効果の点で、極めて費用が余りにも大きいんではないかというふうに感じております。
直接的には、今回、株主の責任が問われるわけでありますけれども、地元的には、七百二十七億円の株を買っている。これは本当に善意の株主たちでありますし、これが全部紙くずになってしまう。このことの負の資産効果が非常に大きいということがまず言えるかと思います。何よりも心理的な衝撃によって、今まで萎縮していたのがさらに萎縮して、一層経済を落ち込ませる、こういった効果があるわけであります。
また、今度の三号措置は、伝えられているところによりますと、一兆円に達する公的資金の投入が必要とされるということが議論されておりますが、「りそな」型のケースであれば三千億円ぐらいで済んだであろうということも言われておりまして、こういったことを総合的に勘案すると、極めて犠牲の大きいハードランディング措置であった。
なぜこういった措置をとるに至ったのか、その政治的な判断の背景はどうだったのかということをまずお伺いしたいと思います。
○竹中国務大臣 遠藤委員の今の話を通して、改めて、やはり地域の方々の不安、御懸念、痛切に感じます。私たち自身も、もちろん、このような事態に至ったことはもう大変遺憾なことであるというふうに思っている次第でございます。
ぜひとも基本的な点で御理解を賜りたいのは、委員おっしゃった一号措置の方がよかったのではないか等々、心情的に非常に御理解できるところがあるんですが、まず、日本の法律の枠組みとして、これは先ほども渡辺委員が御指摘になりましたように、そのような措置はとれない形になっているということでございます。
これは、察するに、やはり金融というビジネス、銀行というビジネスは大変厳しいビジネスなんだということだと思います。債務超過になった、普通の企業でありましたら、債務超過の企業というのは世の中に結構たくさんございます。それでも、資金繰りがついている限りその企業は存続しているわけでありますけれども、預金者の大切な預金を預かって、それを運用する銀行としては、そういう状況で、債務超過になって払い戻しができない、払い戻しができないというようなことが懸念される状況になったら、これは存続し得ないという枠組みになっている。
そういう意味から、実は銀行自身が、みずからが債務超過であって破綻を申請するという、銀行みずからの申請があった、申し出があったということでございます。
我々、監督の立場からは、こうした場合に、委員、政治的な判断というふうにおっしゃいましたが、実は、そうしたことがあった場合の我々の判断というのは、まず百二条というのを適用すべきかどうかという判断になります。しかし、ここは、百二条をもしも適用しなかったら、これは結果的に預金者が負担をかぶるということでありますから、これはやはり避けなければいけない、地域のリスクをできるだけ小さくしなければいけない。そういう場合には、一号措置というのはやはり債務超過である以上はとれなくて、二号か三号かという判断になるわけでございます。この辺の、金融業の特殊性にかんがみた今日の仕組みについて、ぜひとも御理解を賜りたいと思います。
さはさりながら、地域の不安が大きいということは、これは委員の御指摘のとおりであります。特に、今株主の方々がこうむった被害、そうしたことを踏まえて、地域の経済が萎縮しないような措置というのは、これは万全に、政府の責任においてしっかりととらなきゃいけないと思っております。
既に御説明しましたように、金融危機対応会議を終えまして、そのすぐ後に関係省庁の連絡会議というのを、準備会を開いて、既に正式会合も開きました。そうした中で、とりわけ政策金融を活用した資金繰りの手当て等々を中心に、ないしは雇用の問題を中心に、連絡会議で、地域への影響を最小限に食いとめるような努力は最大限我々としてもしていく覚悟でおります。
○遠藤(乙)委員 今の大臣の御答弁は、債務超過ということがキーワードであり、また、ルール上そうであるからやむを得ないという御答弁だったわけですが、その考え方は、やはり地元のある人の言葉をかりますと、法律あって政治なし、総合判断がないのではないかと。本当の意味で、日本の地域をどうするか、そういった全体のビジョンや戦略に立った上での総合判断力が欠けていて、ルールだからルールだ、マニュアルだからマニュアルどおりやった、そういうことにしか見えないという、法律あって政治なし、これは非常に今の行政、政治のあり方をついた発言であると私は思っております。
そこで、それはそれとして、今回、債務超過であるということが銀行自身から申請があったと言っていますけれども、実態は、監査法人がそういったことをいわば押し切ったわけでありまして、最後の最後まで銀行側と監査法人の間で激しいやりとりがあったと私たちは聞いております。十一月二十七日の午前十時になって、監査法人がもうそれ以外ないということで押し切ったというふうに聞いておるわけでありまして、いわば債務超過にさせられたということであると私たちは受けとめております。
それも、いわゆる繰り延べ税金資産の扱いという、会計上のいわば解釈にかかわる問題ですね。それのさじかげんで、監査法人が従来の考え方を豹変させて今回なったというわけでありまして、私はこの点、非常に大きな疑念を持っているわけであります。こういった、繰り延べ資産をどうするかといった単なる会計上のテクニックの問題で、さじかげんで、大きな銀行の倒産を決めるという重大な決定をさせていいのか、一監査法人にそういったことを、生殺与奪の権を与えていいのかという根本的な疑問があるわけであります。
また、この監査法人は三月期においては適正であると監査をしたわけでありまして、多くの人々はそれを信じて株を買った人もいるわけであって、それを信じて応援してきたわけであって、この期に及んで突然考え方を豹変させた。一つの見方によれば、来年の公認会計士法の改正、それによって金融庁の監督権限が強くなる、それを見越して、今回の問題で不評を得るよりも、先のことを考えて自己保全を図ったという見方すらあるわけでありまして、監査法人のそういう態度の豹変については、非常に信頼性の問題もある、また責任の問題もあると思っております。
この点につきまして、大臣の見解はいかがでございましょうか。
○竹中国務大臣 企業はみずからが決算をつくる、その際に、監査法人の監査を受けなければいけない、そういう協議をしなければいけない、その場合、監査法人というのは、一般に公正妥当と認められる会計慣行に基づいて、職業会計人としてのきちっとした判断をしなければいけない、これが私たちの社会が持っている会計情報作成のための一つのインフラであろうかと思います。その過程で、これは当事者間の、あくまでも会社、この場合は銀行と監査法人の間の話し合いであります。どの監査法人を選ぶかということも、これは会社、銀行の選択の自由です。国が割り当てているわけではありません。
そうした中で、今回、当事者間でいろいろなやりとりがあったということは、間接的には我々にもそういった話は聞こえてくるわけでありますが、このあたりのやりとりについては、これはもう当事者間の問題として、ともに責任ある立場の人たちでありますから、きちっと御判断をされるしかないのではないかと思っております。
我々の理解では、いろいろなやりとりがあったのでありましょうが、最終的には銀行の判断で、債務超過である、そういうことを取締役会でも、決算の承認の会議で決めて、その上で銀行の判断で破綻の申し出をなしているというのが現状ではないかと思います。
公正妥当な会計慣行、このものについてもいろいろな議論があろうかもしれませんが、現実問題としては、繰り延べ税金資産に関しても、公認会計士協会で作成された実務指針に基づいてそうした監査が行われているものというふうに承知をしております。
監査法人は、会計士は、まさにいかなる利害からも、国からも独立した立場で、職業監査人、プロフェッショナルとしての監査を行うものでありまして、独立性を持って判断されるものである以上、個別の監査に、監査法人の判断に関与する立場には実は政府はないわけでございます。この点は、ぜひ当事者間でしっかりと説明責任を果たしていただきたいというふうに思います。
○遠藤(乙)委員 確かに、監査法人、米国でも大問題になっていたわけでありますけれども、今後日本におきましても、ぜひ、監査法人の監査あるいはまた説明責任はしっかりと問う体制をつくるべきだと考えております。
そこで、今回の措置は、株主の責任を問うということが非常に大きな特徴でありまして、先ほども申し上げましたように、地元の株主の株が全部いわば紙くずになったということが大きな特徴でありまして、これは大変地元に大きな衝撃を与えております。
今回、足利銀行の資産増強のために、地元だけでも七百二十七億円という株が購入されており、一万五千件に達する。自治体、企業、個人も含めて、いわばオール栃木で応援団として今回株を買っているわけであります。だれも、収益性を期待して買っている人はほとんどいないわけでありまして、足利銀行がつぶれちゃ困る、何とか立ち直ってほしい、そういった意味で、応援団として、あるいはまた借り手の立場で、説得されてやむを得ずおつき合いで買った人もいるわけでありまして、株の購入動機はいわば応援団としてのものであるということを理解していただきたいわけであります。
したがいまして、株式だから株式だということで単純にこれを割り切ることは極めて大きな問題があり、また、現実的にも負の資産効果が極めて大きいということをそんたくする必要があるわけでありまして、この問題に対する対応策あるいは救済策がぜひとも必要であると思いますけれども、具体的にどういったことを考えられるのか、大臣の見解を伺いたいと思います。
○竹中国務大臣 足利銀行という、地域で五割のウエート、シェアを持っている金融機関に対して地元の方々が出資を行ってこれまで支えてきたという経緯は、大変我々もよく存じ上げております。そうした観点から考えますと、これは、債務超過でありますから、実質的な一株当たりの資産がマイナス、ゼロになっているということで、今回の措置になっているわけでありますけれども、心情的にはやはり極めて遺憾なことであり、その地域への影響というのは大きいというふうに私たちも実感をしております。
そうした観点から、先ほどから申し上げておりますように、関係省庁の連絡会議等々でも、その資金繰りの点等々でどのような措置がとれるかということを全省庁を挙げて今検討しているところであります。法律的な問題、それと、現実のやはり問題の大きさ、そういうものをしっかりと踏まえて、何ができるかということを積極的に、前向きに、あらゆる手段を考えていきたいと思っております。
○遠藤(乙)委員 ぜひとも、具体的な救済策を早急に検討していただき、できる限りの措置をとっていただきたいとまず要望するものでございます。
そこで、この今回の措置につきましては、私ども、大変大きな疑問を持ってはおりますけれども、こういう措置を決断した以上は、余りそういうことを云々してもしようがないわけなんですけれども、今後の未来志向の問題として、どうやってこの地域の金融システムを立ち直らせていくか、これが大きなテーマであると思います。
そういった意味で、まず具体的に問題なのは、今、経営監視チームが派遣されておりますけれども、本格的に来る役員の選任、具体的な経営陣のリーダーシップ、経営感覚、能力というものが大変問われるわけであります。特に今回の問題は、地域の経済の再生のためにどれだけ役に立つかということが一番のポイントでありまして、そういった意味では、役員には、地域の実情に精通し、また、地域の経済の活性化にさまざまな努力ができる、そういう経営陣でないとならないと思うわけでありますが、この点につきまして、どういう段取りでどういう役員選任をするのか、大臣の見解をお伺いしたいと思います。
○伊藤副大臣 今御指摘がございましたように、まず私たちは、ガバナンスの空白をつくらないために、今、経営監視チームを派遣させていただいて、融資を受けられる企業が融資が受けられないような事態がないように、万全の対策を講じているところでございます。
今、先生御指摘のとおり、できるだけ早く新経営陣を選任していかなければなりません。その新経営陣の選任に当たっては、この三号措置の趣旨を徹底していけるように、その能力のある人を選んでいかなければいけないわけでありまして、そうした視点から今作業を進めさせていただいているところでございます。
○遠藤(乙)委員 能力は当然なんですが、特に、地域の実情に精通し、地域の活性化に役立つ人ということが大変ポイントであります。この点、もう一回確認したいと思います。
○伊藤副大臣 これは、先生の御指摘も含めて総合的に判断をして、しっかりとした経営陣の体制をつくっていかなければなりません。その経営陣の体制をつくるに当たって、地域の問題に精通している方も必要でありましょうし、また、中小企業の問題について精通される方も必要であります。本当の、金融の問題について、これはもう経験と能力のある方々の選任も大変必要であると思います。さまざまな観点が必要でございますから、そうした観点を総合的に勘案して、大至急、人選を進めていかなければいけないというふうに思っております。
○遠藤(乙)委員 ぜひ、最善のチームを選んでいただくよう強く希望しておきます。
もう一つは、受け皿銀行の問題なんですが、これもやはり、地域の活性化に役立ち、きめ細かなサービスが引き続き提供できる銀行でなければならないと思っておりまして、余り利益だけを求めるような、そういった銀行では地域としては困るというのが地域の強い声でございます。
そういった点で、この受け皿銀行の、新聞等では既にいろいろな名前が挙がってきておりますけれども、どういう段取りで、どういう期限で、またどういう性格の受け皿銀行を考えているのか、これにつきまして大臣の見解をお聞きしたいと思います。
○伊藤副大臣 これも先ほどから議論になっておりますが、今の時点でこの受け皿のあり方、見通しというものを述べることは大変困難な状況でございます。
私どもとしましては、先生の先ほどの御指摘のように、できるだけ早く経営陣を選任して、そして、新しい経営陣のもとで、やはりまずこの銀行の健全化に向けた経営改革というものを進めていかなければなりません。それを進めるとともに、できるだけ早く、法の趣旨に基づいて、受け皿を確保することが望ましいと考えているところでございます。
○遠藤(乙)委員 ぜひとも、その趣旨を体して、よい、地域のために役立つ受け皿を選定してほしい、強く要望しておきたいと思います。
最後になると思いますが、今回の問題、足利銀行の問題、単に足利銀行、栃木県の問題というよりも、日本全体の、地方経済の象徴的な事件であったと私は思っております。一部に景気は持ち直しているとの見方もありますが、これはあくまで一部の、局部的な問題でありまして、日本の地方、中小零細企業あるいは商店街というのは大変な疲弊のきわみにあって、いまだ景気の回復の光が見えないという大変深刻な状況にあるということをまず知っていただきたいと思っておりまして、今回のケースは、何としても地域の金融システムの再生を果たし、地域の経済活性化、発展をぜひとも成功させなければならない、大変な重大なテーマであると思っております。
そういった意味で、今回の足利銀行の問題を踏まえ、今後の地域経済、栃木県を含めた地域の経済の活性化に向けての大臣の決意、具体的なビジョンをお聞きしたいと思います。
○竹中国務大臣 地域経済をめぐる問題、構造的な深刻な問題を抱えているということに関しては私たちも十二分に認識をしているつもりでございます。地域全般に関しては、そうした観点から、地域再生本部をつくって、地域再生の担当大臣も置いて、内閣全体として取り組む、そのような非常に強い決意を持って臨んでいるところでございます。
とりわけ、今回の栃木県をめぐる問題に関しては、先ほどから議論していただいていますように、今回の三号措置をもって、この銀行が、地元の銀行が日本を代表するリレーションシップバンキングの代表格の銀行に生まれ変わっていただくというのがやはり何よりも重要なことだと思っております。
その意味では、一番重い措置をとったんだ、一番重い責任を政府が負ったんだという御指摘がございましたが、まさにそのとおりなんだと思っております。強い決意で、地域再生本部を活用して地域全体を再生させる、とりわけこの栃木県に関しては今回の措置の趣旨を生かすように最大限の努力をする決意でおります。
○遠藤(乙)委員 もう一点だけ。
今回、百二条の三号措置が発動されたわけですけれども、やはり、特に地域の金融システムの問題に対してこの百二条の対処システムはまだまだ問題が多いんではないか、欠陥があるんではないかというふうに思います。特に、いきなりハードランディングをとらざるを得なかった、そういうルールは極めて欠陥が多いと私は思っておりまして、この点について、どういった改善の方向があるのか、大臣としてどのように考えられるのか、最後にお聞きしたいと思います。
○竹中国務大臣 金融システムを強化するために、とりわけ地域の金融システムを強化するために、リレーションシップバンキングの趣旨にのっとって、さまざまなことを今後も強化していかなければいけないと思っております。その中で、とりわけ、資本の増強をどのように考えていくかというのは、今回の百二条の問題も絡めて、やはり欠かすことができない重要な問題であると認識しております。
これは以前からいろいろなところで御検討をいただいて、金融審等々でも御検討をいただいておりますけれども、今の預金保険法百二条で十分足りるという御意見が専門家の間でもある一方で、何らかの予防的な措置が必要でないかという強い意見も専門家の間である。私自身は、やはり何らかの新たな枠組みが必要なのではないかというふうに考えております。
この点は、今、与党の皆様とも勉強させていただきながら、前向きにしっかりと対応していく必要があるというふうに思っております。
○遠藤(乙)委員 今回の足銀の件、栃木県の件をぜひとも成功例にすべく、大臣以下、政府関係機関の最大限の努力を期待いたしまして、私の質問といたします。
以上です。
○田野瀬委員長 次に、平岡秀夫君。
○平岡委員 民主党の平岡秀夫でございます。
さきの通常国会で、りそな銀行の件で質問させていただいた経緯もございまして、今回もまた質問させていただくわけでありますけれども、ことしの五月、そして先ほどの足利銀行のケースを含めて、立て続けに二つの預金保険法第百二条の適用のケースが出てきたわけでありますけれども、今、この二つの銀行の取り扱いをめぐって、いろいろ、世の中の人たちがどうも変だな、おかしいなと思っている点がたくさんあるような気がするんです。
きょうはその点を特に確かめていきたいというふうに思っているわけでありますけれども、その前提として、まず、竹中大臣には、金融行政の基本姿勢、竹中大臣はどういう基本姿勢を持って金融行政を行おうとしておられるのか、この点をまず国民の皆さんに明らかにしていただきたい。そして、その基本姿勢のもとで、りそな銀行の取り扱い、あるいは足利銀行の取り扱いというものが、決して国民の皆さんが持っているようないろいろな疑念というものがないんだということを明らかにしていっていただきたいというふうに思っているわけです。
そういう意味で、最初に、竹中大臣の金融行政における基本姿勢が何であるのか、まずこれをお尋ねいたしたいと思います。
○竹中国務大臣 大変大きな御質問でございます。
金融行政、金融をどのように考えて、政府がそれにどのようにかかわっていくかというお尋ねだと思いますが、金融というのは、読んで字のごとくお金を融通する、余資のある家計、そこから資金不足の生じている法人部門、今ですとそれに政府部門が加わる、そうしたところにお金を流していく仕組み。そこには、やはり当然のことながら、市場の活力を生かしながら、そこでの情報を管理する、リスクを管理するという意味でのプロフェッショナルとしての金融機関が存在し、さまざまな、直接金融の市場、さらには市場型の間接金融市場も存在するという多様な資金ルートの中で、市場メカニズムを生かしながら健全にお金が流れるメカニズムをつくっていく、これに尽きるのではないかと思っております。
しかしながら、日本の場合、そこに至る過程で解決しなければいけない大きな負の遺産があると思っております。それが、いわば不良債権の問題。
不良債権の問題というのは、その背後に過剰な債務を抱えた企業の問題がありますので、やはりバランスシートを国全体として調整しながら、今申し上げたようなメカニズムをつくっていくことが我々の重要な任務なのではないかと思っております。
しかし、その場合に、例えば、世界的な競争をするメガバンクと言われるところと地域に根差したところ、そこは、市場の、ないしは情報のリスク管理の活用の仕方が多様であるということもやはり踏まえなければいけないのだと思います。それぞれの社会の実情に応じて、そういった色分けについては微妙な問題がある。
もう一つ、金融の姿勢としては、今まだ依然として、日本の金融のかなり大きな部分が公的部門、郵政に象徴される公的な部門によってドミネートされているという要因もありますので、そうした問題も市場メカニズムに基づく金融の中に統合していくということがあわせて重要な政策上の課題であるというふうに思っております。
○平岡委員 今竹中大臣が言われたのは、金融行政の目的とか金融政策の目指すべき方向といったようなことだったと私は思うんですけれども、私が聞きたかったのは、そういう目的を持ちつつも、では金融行政というのはどういう姿勢を持って臨んでいくのかという、そこだったんですね。
私は、前の大蔵省の金融行政から、そして今の金融庁の金融行政へと移ってきた過程の中で、今金融行政に求められているのは、やはり、国民の皆さんにとってみて透明性がある、そして公平性がある、こうしたもので金融行政が行われていかなければいけないというふうに思うわけです。そういう点に照らして、今回の足利銀行、そして前回のりそな銀行のケース、果たしてそういうものにたえ得るものになっているのかということをやはり大臣としてもきっちりと答えていっていただかなければいけないというふうに思っているわけであります。これからの質問については、そういう視点に立ってお答えいただきたいというふうに思います。
そこで、まず最初にお聞きいたしますけれども、金融行政の透明性、公平性という観点に立ったときには、その前提となるものとして、情報公開がしっかりと行われていなければいけないというふうに思うわけであります。
さきの通常国会、五月二十八日の予算委員会で、民主党の海江田議員が議事録の公表のお話をされました。これに対して竹中大臣は、金融危機対応会議の議事録につきましては、できるだけ速やかに公表すべきであると思っておりますというふうに答えられておるわけでありますけれども、私がこの議事録が欲しいというふうに言いましたら、議事録はありません、議事要旨しかありませんという答えしか返ってきませんでした。
どうして議事録がないんでしょうか。大臣、これは大臣がみずから答えられた話でございます。公表すべきであると思っておりますというふうに答えられたにもかかわらず公表されていないのはなぜなのか。これは大臣の責任で答えてください。
○五味政府参考人 事実関係を申し上げます。
りそな銀行に係る金融危機対応会議の議事、これは、議事要旨を六月十三日付で当庁ホームページに掲載して公表しております。この議事要旨のほかに議事録はございます。ございまして、議事録と議事要旨の違いは、発言者の言葉遣いをそのまま引いているかどうかとか、議事規程のような極めて事務的な説明を議事要旨では省いているとか、その程度のことでございますが、議事録はございますので、これは御要請がありますればお届けをいたします。
○平岡委員 今、要請があれば出しますというのなら、どうして要請をしたときに出してくれないんですか。それこそ、何か隠しているんじゃないかというふうに国民に思わせるという以前に、国民から選ばれた我々議員を何か欺こうとしているというふうに我々が受けとめてもおかしくないでしょう。そう大して違わないものなら、議事録はこれですというふうに出したらいいじゃないですか。やはりそういう姿勢がないから、多くの国民が、今回の足利銀行のケースについても、本当に何か隠しているんじゃないか、何か恣意的なことをしているんじゃないか、こういうふうに思っているということだろうと思います。
では、大臣。
○竹中国務大臣 ちょっと事実を確認させていただきたいんですが、委員が要請をされたんだけれども金融庁は出さなかったということなんでございましょうか。そういう事実があったということなんでございましょうか。
○平岡委員 そういう事実があったということです。あったことを前提に話しているわけですから、別に、それは大臣に対して直接要求したわけじゃありませんよ、事務的に要求しただけであって、事務的にそれはなかったという返事ですから、今大臣が、出していただけるということでありますから、もうこれ以上この問題について言うことはありません。時間がもったいないので次の問題に行きます。
当然のことながら、足利銀行の今回のケースについても議事録をできるだけ速やかに公表していただきたいということも要請しておきたいと思います。確認させてもらってよろしいでしょうか。
○竹中国務大臣 情報公開のルールで、一定期間を置いて公表する。幾つかの、風評等々を考えなければいけないという観点からこういう規定になっているんだと思いますが、前回もかなり詳細な議事要旨を出しております。前回と同様に、議事の内容がほぼ正確に御議論いただけるような議事要旨をとりあえず急いでお出しできるように準備をしたいと思っております。
○平岡委員 そこで、内容の話に行きますけれども、まず、りそな銀行についてですけれども、もともと、りそな銀行については、ことしの三月期で債務超過ではなかったかという疑いが随分と持たれていました。マスコミ報道の中にも、特別検査ではその対象が大口融資先に限られているし、大和の飛ばしの受け皿と言われている親密不動産会社など非上場会社の有価証券の査定も対象になっていないというような指摘もされておりました。
また、ことしの六月末時点を基準日として、新しい経営陣が資産の再査定を行っております。その結果として、当初、金融危機対応会議のときには、自己資本比率が、資本注入したら一二%ぐらいになるんだ、十分に高い自己資本比率を達成できるものとして入れるんだというふうな説明をしたことが、今度は、この資産の再査定の結果として六%台まで低下したというふうに指摘されています。
こういうふうな流れから見ても、平成十五年三月期にはりそな銀行は実は債務超過ではなかったのかと思うわけでありますけれども、この点について、大臣、どのようにお考えになっておりますでしょうか。
○竹中国務大臣 委員の御指摘、これは本当にきっちりとお答えしなければいけない問題だと思いますが、二つのことをぜひ分けて御議論賜りたいと思います。
まず、三月期の状況、三月期につきましては、これは繰り返し申し上げますが、決算というのは会社が行うものであって、それに監査法人が独立した立場から監査の証明をつける、そうした正式の手続を経て示されたものが、資産超過である、当時の自己資本比率で二%台ということで、それで一号措置になっているわけでありますが、実は、これ以外に利用可能な財務諸表はございません。唯一利用可能な正式の財務諸表がこの監査法人の議を、監査を経たものである、それにやはり基づくというのが、我々の今持っている、我々の社会が持っている会計情報システム、それに基づいた一つの正しい判断であろうかと私は思います。
その上で、第二の問題として、新しい経営陣が着任されて、一二%を想定されていた自己資本が、さまざまな、いわば損出しのような形を経て六%台に下がった。その理由を直接前期の債務超過に結びつけて考えるのは、会計の考え方として私はやはり誤っているというふうに思います。
これは、要するに、経営が変わりましたら、当然のことながら経営の判断が変わります。例えば一つの子会社、これを存続企業として評価するのか、いや、もうこの事業から撤退して、経営方針を変えて、これをスクラップバリューで、残存価格で評価するのか、これは経営の判断でございます。
三月期において、例えば必要最低限のいわゆるリクワイアメントは満たしていた、それに加えて、さらに将来のリスクを先取りしてこういうような評価をしたい、当時はまだ考えていなかった事業の再編を行いたい、その結果、存続価値で評価していたものが残存価値に変わる、こういうものもあるし、典型的には、将来のリスクを先取りしてより強固な財務基盤をつくるという観点から繰り延べ税金資産を大幅に取り崩した。実は、繰り延べ税金資産の計上の比率というのが最も低い部類の会社に今「りそな」はなっているわけでありますが、これは経営方針の変更であります。より強い財務基盤にしたい、将来のリスクを先取りしたい。それをもって、それが単純に前期の場合に行われていたならば債務超過であった、この議論は、やはり会計の議論として私は不適切ではあるというふうに思っている次第でございます。
今の二点、ぜひ御理解賜るようにお願いを申し上げます。
○平岡委員 今回の足利銀行のケースを見てみますと、平成十五年三月期の決算、これは平成十五年三月三十一日を基準日として検査をしたわけですね、九月以降は。そして、その結果として、平成十五年三月期からもう自己資本比率はマイナスであるという結論が出されている。そして、今回の九月期の決算にそれを反映するように、検査結果を反映するようにという形で決算がつくられたということですね。
それと同じように、りそな銀行についても、もし仮に足利銀行と同じように検査をしていたとするならば、平成十五年三月期は既に債務超過である、自己資本比率はマイナスであるという結論が出たかもしれません。
この点について、実は大臣は、前回の通常国会の審議の中でも、同僚の五十嵐議員の質問に対して、検査の必要性があるんではないかと指摘されているのに対して、我々としては、通常のペースで検査を行って、その中でしっかりと資産を査定していくということですということで、検査を行うことをその時点で既に拒否しているような、そういう答弁になっているわけですね。
実は、預金保険法の百三条に、百二条で一号の認定をした後、実は債務超過の銀行であったときには一号の認定を取り消すということが法律上、制度としてあるわけであります。
本来であれば、しっかりとした、透明性のある、公平性のある金融行政を行っていくためには、やはり、平成十五年三月期の決算を平成十五年三月三十一日の基準日においてしっかりと検査しておく、これが必要ではなかったかというふうに思うわけです。
なぜこれを言うかというと、今回、一号措置と三号措置、何が違うのかということは多くの人が指摘しています。一号措置でいった場合には、株主が、自分の、株を保有していることに対してほとんど損失をこうむらないことになってしまっているんではないか。それに比べて、三号措置であれば、株主は株主責任を問われている。逆に言うと、一号措置の場合は、株主が得ている利益というのは、実は資金援助をする国民負担、国民が広く負担しているということを意味しているわけですね。
このような状況をつくり出してしまったのは、まさに、大臣、あなたがしっかりとりそな銀行に対する検査を行ってこなかった、平成十五年三月三十一日を基準日とする検査を行わなかったということの結果じゃないですか。大臣、あなたは責任がありますよ。大臣の答弁を求めます。
○竹中国務大臣 お尋ねは、足利との比較において、「りそな」の検査がどうかというお尋ねであります。
「りそな」に関しましては、委員もよく御承知のとおり、これはいわゆる主要行でありますから、通年専担の検査を行っているし、決算期においては、債務者区分に関してリアルタイムで検査を行う、いわゆる特別検査も二年連続で実施しているわけであります。その意味では、我々として果たせる最善の検査の努力は行っているつもりでございます。
現実に、りそな銀行については、主要行に関する通年専担検査の枠組みの中で、ことしも十一月二十六日に立入検査を開始しております。金融機関の業務の健全性と適切性の確保という金融検査の本来の役割にかんがみるならば、それを実施する時点で把握可能な直近の決算、すなわち十五年九月期を対象として行うのが私は効率的なのであろうというふうに思っております。
十五年の五月に関しては、預金保険法百二条の趣旨からして、やはり迅速な危機対応をしなければいけない。その意味では、その時点で利用可能な最も確度の高い情報に基づいて行うべきである。しかし、それとは別に、銀行としての、いわゆる主要行の枠組みの中で、我々としては通年の検査はしっかりと行っていくということ、これは我々の重要な務めであろうかと思っております。
株主責任に関して、やや細かい話になるかもしれませんが、「りそな」に関しても株主の責任は求められております。債務超過でない以上、その価値を強制的にゼロにするということはもちろんできないわけでありますが、実質的に、配当の抑制というのも株主責任でありますし、資本が注入されることによって、いわゆる薄まりといいますかダイリューションが起こって、本来あるべき価値が、それ以前に比べて、そうでない場合に比して影響を受けるというような責任も負っているわけでございます。
我々としては、今申し上げたような枠組みの中で、しっかりと金融の検査監督の責任を果たしていっている所存でございます。
○平岡委員 先ほど渡辺議員の方からも、一号措置と三号措置の違いの話で、一号措置をとる場合でも減資をするというようなこともやはりやるべきじゃないかというような趣旨の話があったと思うんです。
実は、預金保険法の中には、百六条に、減資の話もあるんですね。一号措置をとった場合でも株主の責任を問うという仕組みが既に法律の中に整備されている、そういう状況であろうと思うんですけれども、どうして、そうした株主の責任をちゃんと問うような仕組みの中でりそな銀行の処理が行われなかったんでしょうか。ただ単にこれまでやってきたりそな銀行の処理でいけば、逆に株式市場の中でモラルハザード相場を生じさせたという話もありましたけれども、株主の責任が問えていないというような状況が生じてきている。
それに比べて、今回の足利銀行については、株については預金保険機構が無償で取得するという形で、株主の責任がすべて問われてしまう。
こういう大きな違いが出てくるということについて、金融行政の公平性という視点から見たときに、これは大きな問題があるんじゃないですか。大臣、いかがでしょうか。
○竹中国務大臣 誤解のないようにぜひ御認識を賜りたいんですが、預金保険法第百六条第一項に基づく減資、これはいわゆる会計上の減資であります。会計上の減資でありますけれども、これは実施をしております。これはぜひ御確認をください。そういう会計上の減資はしておりますので。
ただし、これは、厳密に言うと、株主当たりの純資産が変わるわけではございませんので、いわゆる株主責任としての減資というのとは意味が違う。しかし、ここの百六条で決められている会計上の減資は「りそな」はしております。
公平の観点からの御指摘がございました。
先ほどからも申し上げているように、これまで株式を取得してきた方々に関しては、やはり割り切れない、非常にその思いはあると思いますし、そうしたことになったことに対してはやはり遺憾でありますが、事実の問題として債務超過か資産超過かというのは、やはり決定的に違っているということだと思います。
債務超過ということは、一株当たりの資産価値がゼロ以下ということでありますので、そういう状況があるからこそ、こういう今回のような預金保険法百二条の二号、三号の措置が、法律上も、憲法の規定に矛盾しないものとして正式にこう措置されているのであるというふうに私は思っております。そもそも資産超過か債務超過か、その差が非常に大きい一つの分かれ目、境目になるという点を御認識賜りたいと思います。
〔委員長退席、萩山委員長代理着席〕
○平岡委員 資産超過か債務超過かが大きな境目になるというふうに言われているからこそ、私はこのりそな銀行について、平成十五年三月三十一日を基準日とする検査で、りそな銀行について、一体本当にどういう状況であったのかということを明確にする努力を金融当局としてすべきであるということを言っているわけです。
なぜ、平成十五年三月三十一日時点を基準日とする検査を行わなかったんですか。これを行っていればまた、金融行政のあり方として、どのようにりそな銀行に対して対応するかという結論が違ってきた可能性がある。もう何度も言うのも時間のむだではありますけれども、国民が負担をするような形を大臣がとってしまった、大臣が検査をぴしゃっとやっていればそういう形にならなかったかもしれない、大臣の責任は非常に大きいと私は思います。
なぜ平成十五年三月三十一日を基準日とする検査をきちっと行わなかったのか、もう一度答弁をお願いします。
○竹中国務大臣 先ほども申し上げましたとおり、今の我々が依存しております預金保険法第百二条というのは、いわゆる金融危機を回避するための措置であります。その運用に当たっては、その時点で得られる最も確実性の高い情報に基づいて迅速に対応する。
今でこそいろいろな議論がなされておりますが、やはり当時、決算はどうなるんだ、この銀行はどうなるんだといろいろな風評、憶測が市場である中で、我々としては、迅速に銀行を安定させる状況に持っていく必要がありました。これは金融行政の、やはり大変重要な私たちの役割だというふうに思っております。いわば非常事態での緊急措置としてのこの百二条の性格にかんがみれば、そのときで一番確度の高い措置をとる。
その上で、新経営陣のもとで、経営体制の整備、ガバナンスの確立、新たな策定等の課題に優先的に取り組むべき状況にあるわけであって、通常検査の実施がこうした移行作業の阻害要因になるということも避けなければいけない。体制移行期において検査を実施すると、銀行側の検査への対応の面から見て、経営実態の的確な状況把握を目的とする検査の有効性に懸念が生じないか。同行が実施しているデューデリ作業等経営判断に、当局が同時期に検査を行うということで、結果的に経営判断に何らかの影響を及ぼすかもしれない。そうしたことも我々は考慮した次第であります。
〔萩山委員長代理退席、委員長着席〕
○平岡委員 いずれにしても、結果的に国民負担をより多くしたという意味において、私は大臣の責任は重いということを指摘しておきたいというふうに思います。
そこで、ちょっと視点は変わるのでありますけれども、今回、足利銀行のケースにも関連しますので、日銀の考査について、りそな銀行はどういう状況であったのかをお聞きしたいというふうに思います。
日銀も、本来は、金融調節機能を発揮して物価の安定を図るというようなことが目的でもありますけれども、

