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児童虐待防止法の改正に議員立法で取り組んでおります。

text by

小泉龍司

2004.01.30

 今国会から、小泉龍司は、衆院・青少年対策特別委員会の理事を務めることとなりました。青少年特委の理事として現在、議員立法により児童虐待防止法の改正を行うべく、取り組んでいるところです。
 皆様ご承知の通り、1月25日に大阪府岸和田市において、中学3年生の男児に対して虐待を加え、餓死寸前の重傷を負わせた保護者が逮捕される事件が発生しました。こうした児童虐待の事例は、近年、急増しており、年間少なくとも3万5千件以上の児童虐待が発生しています。(児童千人当たり1.54人)
 従来、児童の保護については、「児童福祉法」が基本法として制定されていましたが、児童虐待の急増を受けて、平成12年に児童虐待に焦点を合わせた「児童虐待防止法」が議員立法により、制定されました。
 今般、施行後3年を経たこの「児童虐待防止法」の不十分な点を補い、児童虐待の防止、児童の保護、さらには、事後のケアに万全を期すべく、議員立法により「児童虐待防止法」の改正を行うことと致しました。
 現在、法案作成の詰めの議論を行っているところですが、主なポイントをご報告致します。
 なお、併せて政府提案により、基本法である「児童福祉法」の改正も今国会において行うことが予定されています。

改正の主なポイント ——— 児童福祉法の改正も含む。

  1. 児童虐待の発見をより早期に行うための取り組みを行う。
    • 全国182カ所の児童相談所だけでは、早期の発見は困難であり、各地方公共団体が児童虐待への対応を的確に行うことを義務づける。その上で、関係機関の相互連携を強化する。また、児童相談所はより困難な事例に対応する機関として位置づける。
    • 「児童虐待を受けたと思われる場合」にも、関係機関への通告を義務づける。この通告義務は、全ての国民に求められるものである。
    • 学校、幼稚園、保育所の役割をより充実させる。具体的には、教職員により深い理解を求める研修を強化する。
  2. 児童虐待が発見された場合、より確実に児童の保護を行う措置を強化する。
    • 保護者が同意して児童を施設に入居させる場合においても、保護者の面会または通信を制限できるようにする。
    • 18才以上の未成年者についても、児童相談所長による親権喪失の申し立てを認める。
  3. 保護者への指導及び、事後のケアを行う仕組みを整える。
    • 保護者への指導について、児童相談所のみならず、家庭裁判所も関与する仕組みを導入する。
    • 親子の再統合を行うために必要な保護者及び児童へのケアの方法について、早急に研究を行い、具体化する。(この方法については、米国等において、プログラムが開発研究され始めているが、未だ確立した手法は存在しない。)

 以上のような項目を中心に、現在、青少年特別委員会の理事として、この問題に取り組んでおります。2月6日(金)には、今回の岸和田の事件をより深く調査するため、委員会メンバーによる現地視察を予定しています。

 児童虐待は、児童の心身に深刻なダメージを与え、時には死に至らしめます。人間としての価値を受け継ぐべき親や保護者から逆に、虐待を受けることは、児童の人間としての存在そのものを脅かす深刻な事態であります。その背景には、様々な社会の歪みがあると考えられ、人としてのモラルを含めた社会のあり方そのものが問われていると考えますが、国として、現実に切迫したこの問題に全力を尽くすため、あらゆる問題点を検討し、何としても実効性のある法改正を行いたいとの思いで取り組んでおります。