基本政策

銀行融資に関する「個人保証」の負担が軽減される法律改正が行われました。

text by

小泉龍司

2004.12.27

以前にご報告致しました通り、これまで中小企業の経営者に大きな負担であった「包括根保証」に対し、一定の限度を設けるよう取り組みを続けて参りましたが、この秋の臨時国会での法律改正により、一定の成果を上げることができましたので、ご報告をさせて頂きます。

1.これまでの問題

 保証には通常の債務保証のほか、継続的な取引で変動する債務を保証する「根保証」があります。通常の債務だけを保証する契約の場合は、返済をすることにより契約は終了しますが、企業は経営を継続的に進める際に、借り入れと返済を繰り返すことになります。このため新規の借り入れ、あるいは借入金を増額する際に改めて保証契約を結び直す必要が出てきます。

 その場合、「根保証」という契約を結んでおくと、繰り返し行われる借り入れと返済を一つの契約の中で継続して行えるため、新規の借り入れごとに保証契約の結び直しの手間がかからない利点があり、一般的な商慣行として行われてきました。

 その中でも「包括根保証」は、限度額、期間を定めない保証契約です。中小企業が融資を受ける際には、銀行がその優越的地位を利用して、この包括根保証を経営者に個人保証として求める場合が多く見受けられました。

 こうした個人保証は、経営の悪化により借入金額が増えた場合など、個人で返済するには過度な債務額となるケースが多発し、大きな社会問題となっていました。

2.法改正の内容

 上記の点を踏まえ、下記のような民法の改正が行われました。

  1. 限度額(極度額)のない根保証契約を無効としました。 (今回の措置の対象になるのは、主たる債務の範囲に融資に関する債務が含まれており、かつ保証人が個人である場合です。このような根保証契約(貸金等根保証契約)であって、限度額(極度額)を定められていないものは、その契約が無効になります。)

  2. 元本確定期日は、契約で定める場合には契約日から5年以内、契約で定めていない場合には、契約日から3年後の日となりました。(5年を超える日を元本確定日と定めた場合には、この定めは無効となり、契約日から3年後の日が元本確定期日となります。)

  3. 主たる債務者や保証人が、強制執行を受けた場合、破産手続き開始の決定を受けた場合、死亡した場合には、根保証をした保証人は、その後に行われた融資については保証債務を負担しないこととしています。

  4. 根保証契約を含む保証契約は、契約書などの書面によってしなければ無効になります。(これについては、すべての保証契約に適用されます。)

改正法は、平成17年4月1日から施行するべく準備が現在進められています。