⑴昨日 10月4 日、総裁選挙の投票が行われ、高市早苗議員が新総裁に選出されました。

心からお祝いを申し上げます。また、他4人の候補者の健闘を称えます。

しかしながら、今回の総裁選の内容に関する国民世論の受け止め方は、残念ながら、決して芳しいものではありません。

次のような批判、指摘が数多く行われています。

①内向きの「党内融和」を優先する姿勢が強く、各候補者が独自色を抑えた、似通った主張を繰り返していた。

②政策アイテムを述べるにとどまり、それをどうやって実現するか?についての独自のアイディアや知恵がほとんど明らかにされなかった。

③そもそも、自民党政権下で賃金が上がらず、国民の生活が苦しい状況にあることについての真摯な反省が聞かれなかった。

こうした世論の批判や指摘に、私も共感を禁じ得ません。

⑵そして、さらに三つ付け加えるならば、

④我が国も含め主要先進国では、グローバリゼーション下での再分配の失敗と格差の不可逆的拡大により、アメリカ・トランプ大統領の登場と欧州諸国における右派ポピュリズム政党の台頭が進んでいること。

その中で、戦後、普遍的価値とされてきた「法の支配」「民主主義」「自由貿易」などと、それを司るエリート層への深い疑念と反感が生まれ、各国の政治状況を根底から揺さぶっていることへの認識の甘さ。

⑤こうした状況を覆す「政策力」と「強い意志」を示すことができなかった自民党が喫した、先の衆参選挙での敗北の本質は「政策敗北」であったことへの認識不足。

⑥その結果、貧しくなる一方の国民の傍らで生じた、政治とカネの問題は、自民党の「能力」だけではなく、政治に携わる「資質」の欠如として国民の目には映っていることの認識の不足。

⑶名著「失敗の本質」を顧みるまでもなく、失敗を直視し、その失敗の本質的原因を突き止めて国民に説明し、果断に対応策を決断・実行していくこと。

こうした取組を真摯にかつ謙虚に進めることが、失われてきた国民の豊かさを取り戻す唯一の道であることを胸に刻み、高市総裁にはその先頭に立っていただきたいと願っています。

私も仲間の議員と共に微力ではありますが、その方向に向けてサポートさせていただきます。

高市総裁の強いご意思をこうした本質的課題にフォーカスしていただくことを切に願っています。